琉球朝日放送の第271回番組審議会が9月20日火曜日午後3時30分より琉球朝日放送で開催され、課題番組「復帰50の物語」〈「CATCHY」第2部 ニュース内、2022年3月3日(木)~8月11日(木)午後6時15分~6時55分放送〉について各委員から意見が出された。

事務局報告ではプログレス賞が決定した報告と番組審議会代表者会議の共通テーマの意見要旨についての諮問が行われた。また「民放連 放送基準」が一部改正されるのに伴い、琉球朝日放送番組基準の変更が諮問され、「妥当である」との答申があった。最後に、視聴率と視聴者応答(いずれも7・8月分)が事務局から報告された。意見の概要は以下の通り。

復帰というひとつの大きな事象を多数の角度から取り上げるという企画が良く、粘り強い取材に敬意を表する。具体的な証言から市民の生活史が垣間見えた点がよかった。

海岸やしまくとぅばなど、社会の変化によって必然的に失われるものと、それでも変わらない「心」があることが理解できた。反復帰論はやや意見が偏っているように感じた。

市場の映像は懐かしさを呼び起こした。フィルム映像があるともっと見応えが出ただろう。復帰の陰にあった沖縄同化主義について、もっと深掘りしてほしかった。

個々人の体験にクローズアップすることで復帰前後の時代を多面的に取り上げていてよかった。各回で字幕スーパーの出し方が統一されていないのが気になった。

復帰を知らない世代の目線で取材したという番組目的を強調してもいいのではないか。政治的主張が絡む話題では客観的な数値などを出すなどして科学的な視点を重視してほしい。

ニュース番組の短いコーナーにしたことでサラッと視聴できて好印象であった。復帰への問いかけには答えが見えず、現代の若者には重く感じられ劣等感を与えてしまうのではないか。

旧盆からジェンダー平等につながる展開は意外で興味を引かれた。沖縄返還の代償としての文化・自然破壊など、忘れてはならない歴史も伝えており、多様な側面から復帰とは何かを問いかけていた。

出席委員 安里睦子・横田哲・長嶺亮子・波平恒男・渡名喜郁夫・吉田央
欠席委員 砂川久美子(レポート提出)