復帰50年特別番組 土の記憶 ~沖縄球児と甲子園~

琉球ゴールデンキングス・開幕直前特番 ~今季にかける思い~

沖縄が本土復帰して50年。50年前の1972年、甲子園に出場したのは名護高校だった。春夏連続出場でその夏、沖縄の球児として初めて「甲子園の土」を持ち帰ることができた。

復帰前はアメリカ統治下のため、持ち帰ることができなかった。時代の転換期をまたいで2度聖地を踏みしめた名護をはじめ、夏の甲子園2年連続準優勝・沖縄水産、春夏連覇・興南の当時の選手に話を聞き、持ち帰ってきた甲子園の土に染み込む記憶をたどる。

番組では復帰前の1958年、沖縄県勢で初めて甲子園に出場した首里高校が持ち帰った土を帰りの船の上から捨てられたあの「事件」も改めて取材し伝える。

首里ナインに同情し、当時、甲子園の土の代わりにと各地から贈り物が届けられたが、そのうちのひとつで、今も首里高校の校内に記念碑がある「甲子園の小石」を届けた女性に話を聞くことができた。そこには土は消えてしまっても、今も消えることのないつながりがあった。

日本復帰後「本土に追いつけ、追い越せ」と多くの沖縄県民が思いを抱いていた。その思いはまず高校野球によって叶えられる。1972年に生まれたいわゆる「復帰っ子」が中心メンバーとなって戦った沖縄水産が、夏の甲子園県勢初の準優勝。さらに翌年も準優勝で、沖縄高校野球の力を全国に知らしめた。

その後、沖縄尚学が春のセンバツで2度の優勝。そして2010年、興南が甲子園春夏連覇を果たし、沖縄球児は歓喜の土を手に入れた。