きょうは防災の日です。1923年9月1日に発生した関東大震災の教訓を忘れないようにと、制定されました。
“災害への備え”というと、水や食料といった備蓄や、避難経路・避難場所の確認などを普段から意識している方も多いと思います。では、避難後の生活についてはどうでしょうか。今、課題となっている災害関連死を防ぐための研修が行われました。
ことし7月、熊本を襲った大きな地震。そして、各地で相次ぐ大雨による被害。災害は、ある日突然訪れ、私たちの日常を奪います。そんな災害を生き延びたその先にも、命を脅かす問題があります。



“災害関連死”とは、災害によるけがの悪化や、避難生活による体への負担などで命を落とすことです。2016年の熊本地震では、亡くなった275人のうち225人が災害関連死とされ、全体のおよそ8割を占めました。
こうした事態は沖縄も例外ではありません。県の想定では、本島周辺で大規模な地震と津波が発生した場合、発生直後、多くの県民が避難所生活を送ると見込んでいます。
内閣府 高智穂さくら主査「過去の災害の経験から地域住民やボランティアによって避難所の生活環境を自主的に改善することの重要性が認められている」
大規模な災害では、行政だけで避難生活を支え続けることには限界があります。そこで、国が2022年度から進めているのが、「避難生活支援リーダー/サポーター研修」です。
内閣府 高智穂さくら 主査「この研修では、3つのポイントを絞って伝えている。 1助けが必要な人の存在にいち早く気づく。 2安心できる生活環境を整える。 3できる人につなぐ。こうした力を持つ地域人材が増えることが災害関連死を防ぐ一歩につながると考えている」

この研修がおととい、沖縄で初めて開催され、日ごろから地域防災に関わる48人が参加しました。
この日取り組むのは、対人コミュニケーションの演習。被災者役、被災者に声をかけるリーダー・サポーター役、そして、そのやり取りを見守る観察者に分かれ、ロールプレイを行います。

演習では、年齢や健康状態などが異なる5つの被災者像を設定。詳しい内容を知っているのは“被災者役”だけで、リーダー・サポーター役は会話を重ねながら、その人物の困りごとを探ります。
リーダーサポーター役「お子さんは何人でいらっしゃる?おひとり?」被災者役「ひとりですね この4歳の子 ひとりで」
このグループの設定は、未就学児を育てる30代のシングルマザー。仕事への復帰を望んでいますが、保育園も被災し、子どもの預け先がありません。


被災者役「(子どもに)ずっとスマホを見せて、それで落ち着けているという感じで。私もめっちゃ苛々する時もあって」
リーダーサポーター役「そうですね、大変ですね。」「遊具とか、もしボールとか道具とか何かご用意できるものがあるか確認します」
被災者役「本当ですか、ありがたいです」
不安や悩みを抱えていても、すべての人が自分から助けを求められるとは限りません。何気ない会話の中から、その人が抱える困りごとに気づけるかが問われます。
リーダーサポーター役を演じた参加者「実際にこの場にいたとしたら、受付とか情報コーナーの方に共有しなきゃいけないことがたくさんあったかと思う」

そして、必要に応じて医療や福祉など専門機関につなぐことも求められます。
被災者役「こんにちは~お手伝いにあがらせてもらっています、ありむらと申します」「気になることとか困りごとを聞かせてもらっているが…」
別のグループでは、70代の男性を想定。避難所が閉鎖された後の住まいに不安を抱えています。さらに、感情の浮き沈みも見られるという設定です。
リーダーサポーター役「体調はいかがですか?」被災者役「死ぬかもしれんね 死ぬかもしれない」

突然出てきた「死ぬかもしれない」という言葉。声をかけたリーダーサポーター役は、どう受け止めればいいのか戸惑いました。
リーダーサポーター役「難しかったです」「生きる気力がなくなっている被災者だし」「どう聞いていいのかというところ、言葉選びが非常に難しかったと思う」

講師 桜井野亜さん「『自分にできることは何もないと思った』と言っていた参加者がいた」『自分は何もできないんだ』ということを知ることがすごく大事で、だからこそ一つ一つ相手に聞いていく、一つ一つ相手に寄り添っていく」「諦めないで、信頼の種をまいていく、めげないことも大変重要だと思う」

被災者役を体験(那覇市・学校教諭)「優しい声かけだと、こっちも安心して相談ができる、頼れると感じた。寄り添うという視点を大事にしながら生かしていきたい」
那覇市から参加「(学んだことを)地域も含めていろんな人に話をすることによって 備えができたら」
今回の研修には、20代から70代まで幅広い世代が参加しました。那覇市は、ここで生まれたつながりを今後に生かしたいとしています。
那覇市 防災危機管理課 富名腰綾乃さん「今後は沖縄県内のほかの自治体でも実施をして、避難生活における課題解決の視点を持ったリーダーやサポーターをいろんな自治体で育てることが地域の防災力を、沖縄県全体で上げることにつながると考えている」

避難したそのあとも、命を守り続けるために。地域で支えあう力が問われています。
ここからは取材した玉城アナウンサーです。みなさん、真剣に参加されていましたね。
玉城アナウンサー「そうですね、今回、県と那覇市、浦添市の共催で実施されたんですが、行政側も手ごたえを感じているようでした。改めて、私たち自身も避難後の生活を想像しておくことが必要です」
「例えば、実際に避難所で暮らすことになった場合、食事やトイレ、寝る場所や薬など、どんなことに困るのか。さらに、地域でどんな支え合いができるのか。普段から考えておきましょう」
「さらに沖縄は、島しょ県ですので大規模災害がもし発生すれば、県外からの人的・物的支援が欠かせませんが、支援が行き届くまで時間がかかることも懸念されます。だからこそ、自分や家族に何が必要か考え、備蓄しておくことも重要です」
今回の研修で使われたテキストは、内閣府のホームページで、誰でも閲覧できます。ご覧の通り検索してみてください。
避難生活支援を担う地域人材の育成について(避難生活支援リーダー/サポーター研修) : 防災情報のページ – 内閣府
改めて、きょうは「防災の日」です。避難だけでなく、その後の生活を想像しながら、できることから備えを見直してみてください。







































