【資料全文公開】与那国馬は「食べられる」?/陸自内部資料で記載/識者「有事に食料化も」/作成部隊は否定

【資料全文公開】与那国馬は「食べられる」?/陸自内部資料で記載/識者「有事に食料化も」/作成部隊は否定

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陸上自衛隊が、与那国島の島の状況を詳細に調査し、まとめた内部文書を、今回QABが、入手しました。

島の地形や施設、生活状況などをまとめた資料の中には、天然記念物の「ヨナグニウマ」について「食べられる」とした記述もありました。

今回、QABが入手したのは、陸上自衛隊が作成した2023年度版の「与那国島地誌」と呼ばれる資料です。

作成したのは、香川県の善通寺駐屯地に司令部を置く、陸上自衛隊第14旅団。

担当地域が四国全体になっている、旅団が与那国島の詳細な調査を行った経緯について、旅団側は「島しょ地域の地理的特性を把握するため、離島の特性が顕著な与那国島を作成した」と回答しています。

資料は、180ページに上り、島内を撮影した写真や地形図などで構成されています。そのなかに「摂食可能な動植物」との項目があり、島固有の野生馬「与那国馬」の記載も。

【資料全文公開】与那国馬は「食べられる」?/陸自内部資料で記載/識者「有事に食料化も」/作成部隊は否定

与那国馬は「町の天然記念物」にも指定されていて、今回の資料内にも、国際法上の保護対象との記載があります。

この内容に、部隊は・・・

第14旅団の回答文「地理的特性把握のための基礎的資料であり、隊員が摂食することを想定しているものではありません」
「その上で申し上げれば、44項の記載の通り、文化財及び天然記念物については、適切に保護されるべきと認識しています」
「167項は、生理学的な摂食の可・不可に基づく記載です」

県外の部隊が、与那国島を詳細に調査したことが分かった今回の資料。

南西諸島の自衛隊配備問題などを取材してきたジャーナリスト・布施祐仁さんは、台湾有事も念頭に、今回の資料をこう分析します。

布施氏「陸上自衛隊は南西地域での有事の際に、全国の部隊を南西地域に機動展開する準備態勢を整えている。第14旅団が与那国島の地誌を調査してまとめたのも、南西地域での有事の際に14旅団が与那国島に展開し、作戦を行うという想定の下行われたことではないか」

【資料全文公開】与那国馬は「食べられる」?/陸自内部資料で記載/識者「有事に食料化も」/作成部隊は否定

そして、与那国馬を「摂食可能」とした経緯は?

布施氏「戦争になれば軍事作戦・軍事的な必要性が、全てにおいて優先されるという考えのもと、場合によっては天然記念物に指定されるような動植物も食料にするということも自衛隊は考えているのではないか」
「あくまでこの地誌の資料は有事の際に部隊が作戦を遂行する際に必要な情報をまとめているのもの」
「一般的に生理学的に食べられるかどうかということではなく、実際の作戦で自衛隊員がそれを食料にすることができるのかという観点で調査している者だと思う」


【QABが防衛省から入手した「与那国島地誌」全文はこちらから入手できます】
(防衛省から入手した文書全文をそのまま公開するもので、与那国島の一般的な情報は最新・正確でない場合があります)