中国人民解放軍の原子力潜水艦が戦略ミサイル1発を発射したと中国メディアが発表しました。さらに弾道ミサイルの発射通知も。中国側の狙いはどこにあるのでしょうか。
■ミサイル発射 中国の狙いは?
「中国海軍、潜水艦発射型戦略ミサイルの試験発射に成功」。6日、中国国営の新華社通信が発表しました。
中国外務省 毛寧報道局長
「これは定例の軍事訓練活動であり、特定の国と目標を意図していません。事前に関係国に通告済みです」
今回、発射されたものなのかは分かりませんが、中国は日本時間の6日午前11時半、弾道ミサイルを発射すると日本側に通知していました。
木原官房長官
「中国による個々の発射、また我が国に対する通知等の意図については確定的にお答えすることは差し控えますが、中国については国防費を継続的に高い水準で増加をさせ、十分な透明性を欠いたまま、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を含む核ミサイル戦力を広範かつ急速に増強させています」
新華社通信によりますと、発射されたのは日本時間の午後1時1分。戦略原子力潜水艦1隻が太平洋の公開海域に向けて訓練用模擬弾頭を搭載した戦略ミサイル1発を発射し、予定した海域に正確に着弾させたとしています。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「発表してないので確実なことは言えないが、恐らく中国海軍が現在、入れ替えを更新しているJL-3タイプの可能性が高い。これは日本語では『巨浪3』と読むんですけど」
中国は去年9月、最新鋭の大陸間弾道ミサイルや空中発射型の弾道ミサイルと合わせ、潜水艦発射型の弾道ミサイル「JL-3(巨浪3)」を初めて公開して陸海空、三位一体の核戦力を誇示していました。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「射程約1万2000キロですから、中国の沿岸から撃ってもアメリカ本土の一部が射程に入ると。(きょうの着弾は)実証実験の可能性が高いと思う」
中国の通知した発射期間は今月6日から8日までで、落下地点に設定された区域には和歌山県の潮岬南方の排他的経済水域も含まれています。
■中国“強い軍”アピールか
中国からの弾道ミサイル発射の通知は唐突のようにも見えますが、狙いはどこにあるのでしょうか。北京から報告です。
(冨坂範明記者報告)
今回の通知と中国が発表した潜水艦から発射されたミサイルが同じものかは現在、確認中です。
中国の狙いは大きく2つあると思います。
まずは国際的な狙いですが、原子力潜水艦から核弾頭を搭載できるミサイルを撃てると今回初めて示すことで、アメリカを念頭に反撃能力の強化をアピールしたとみられます。
去年の軍事パレードでも同種のミサイルを披露していました。
もう一つは国内向けの狙いですが、習近平氏のもとで強い軍を確実に作っているというアピールです。
ゴールは来年の人民解放軍成立100年ですが、そこに向けて計画通りに着々と軍事力の強化をアピールしている印象です。
■日本政府どう対応?
一方、日本政府は今回の発射通知に対してどう対応していくのでしょうか。国会記者会館から報告です。
(政治部・佐々木一真記者報告)
政府内を取材すると、6日に中国軍が潜水艦から発射した戦略ミサイルと潮岬南方への落下を通告してきた弾道ミサイルは同一との見方を強めています。
政府は落下地点は日本のEEZ(排他的経済水域)内ではなく、上空を通過したこともないと説明しています。
一方、海上保安庁は午後5時、周辺の船舶や航空機への注意の呼び掛けを解除しました。
ただ、高市総理大臣の周辺からはEEZに落下しなくても、そもそも日本にこうした通告をしてきたこと自体が問題だとの声も上がっています。
高市総理の台湾有事発言に端を発する緊張は高いままとの認識が広がっています。
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