住宅で母と娘の2人が死亡したのは「殺人」と断定されました。司法解剖の結果から何が分かるのか。元科捜研と検証します。
■残された“傷”元科捜研が検証
元京都府警科捜研 矢山和宏さん
「今回は単なる物取りとかそういったものではない可能性が高い。首というのは非常にやわらかい部位で動脈も走っていて、首を絞めるなどして殺害する方法のひとつの部位。そこを目がけるということはかなり殺意が高かったのではないか」
母と娘に残された傷は何を意味するのでしょうか。
兵庫県たつの市の住宅で田中澄恵さん(74)と娘の千尋さん(52)の遺体が見つかった事件で、警察は殺人事件と断定しました。
亡くなった現場について、新たな事実が分かりました。
今月19日、住宅で2人の遺体が見つかりました。
現場には2人の携帯電話や財布が見つかっていましたが、他に預金通帳も残されていたことが分かりました。
元京都府警科捜研 矢山和宏さん
「結構規制線広くとってますね。向こうのほうまで。例えばここを抜けてこられそう。逃走経路として考えられるとすれば、ここも規制線をしてということは考えられる」
現場を見た元京都府警の矢山さんは、通帳などが残された状況から、被害者と犯人の接点を指摘します。
元京都府警科捜研 矢山和宏さん
「(Q.免許証・預金通帳・財布が現場に残されている意味は?)金銭目的の物取りではなく、えん恨の可能性がかなり高い。被害者と何らかの接点があるということになる」
事件直前の今月初め、親子で出掛ける姿を近隣住民は見ていました。
近隣住民
「(Q.最後に会ったのは?)5月の初めくらい。『ローソン行く』と。(母親が)歩けなくなったから『助けてくれるか』と。(親戚も)別に変わりなかったよと、買い物に親子で行っていたと。7日くらいに」
警察によると、今月13日の夕方に娘が外出先から帰宅し、母と電話しているのを確認したということです。
死亡推定時刻は、母と娘いずれもその13日とみられています。
19日、知人が「親子と連絡が取れない」と警察に相談しました。
警察に2人に関するトラブルの相談はなかったといいます。
亡くなった母・澄恵さんは、自治会の役員も務めていたということです。
近隣住民
「今年3月21日に役員会・総会があって、その時に(母親を)見て話した。1年間役をしてくださっていたから『お疲れさまでした』という感じで。“配りもの”についても数日遅れることはあったが、遅れてでも責任を持って持ってきてくださっていた」
2人の死因も判明しました。母が失血死、娘が出血性ショック。
この死因の違いは何を意味するのでしょうか。
元京都府警科捜研 矢山和宏さん
「基本的には失血死という母親の状態は、動脈とかそういったものを一気に切られ、出血が急速に起こることによって死に至ったということになります。娘さんのほうの出血性ショック死は、動脈以外で、例えば静脈や筋肉に損傷があって、ある程度じわじわと出血がかなり出てくると。少し時間を要するということです。その間に多臓器不全とか、臓器に血液が回らないことによってショック死に至る。これが出血性ショックということになります」
母・澄恵さんには動脈に達する刺し傷があったということです。
2人には体を守る時にできた傷も確認されています。
警察は他殺と断定。捜査本部を立ち上げました。
なぜ警察は他殺と断定できたのでしょうか。
元京都府警科捜研 矢山和宏さん
「2人ともが致命的な傷を負っている。さらに手に防御創があったということから他殺と断定できる」
他にも他殺を裏付ける状況があるといいます。
「複数回、出血死を伴うような形というのは自傷ではなかなか難しい。さらには今回凶器が発見されていない。自傷であれば必ず凶器はそばにあるということなるので、そうでないということであれば誰かが持ち去っている。第三者が殺害して持ち去ったという可能性が非常に高い」
警察は80人態勢で逃走した人物の行方を追っています。







































