#IMAGINEおきなわ vol.88「南城美術館でアートを楽しむ」

#IMAGINEおきなわ vol.88「南城美術館でアートを楽しむ」

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沖縄の「今」を見つめる「イマジンおきなわ」です。南城市にある現代アートの美術館、(南城美術館)で今沖縄のアーティストを中心としたグループ展が開催されています。展示会の催しで、沖縄の土を使ったワークショップや竹と輪ゴムで無限に遊べる、体験できる、アートの世界を楽しむ取り組みを取材しました。

「吾輩は、鹿である。名前は『トランスディア・フレイム(Trans-Deer(Flame))』という」

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AIO(Art Initiative Okinawa)キュレーター 内間 典子(うちま・のりこ)さん
「大きな鹿が来るっていうので『Oh dear!(オーディア)』というイギリスの英語でよく、おやまぁとかあらまとかっていう意味でよく使うんですけれども、沖縄の方言でいうとアイエナーみたいな。なかなか県内で見られないバラエティのある作家さんがそろって一堂に(展示)できることは、すごく意義のあることだったんじゃないかなと思います」

「『アイエナー』な私は今、南城市の斎場御嶽(せいふぁうたき)にほど近い、森の中の美術館で、仲間のアート作品とともに海を眺めている」

この日、美術館の庭で開催されていたワークショップ「世界各地の土で描く」何だかみんなとっても楽しそうだ!

名護市在住・WSに参加した女性「私が今日描きました~。土練って指で描くというのが、すごくいい経験で楽しかったです良かったです」

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那覇市在住・WSに参加の女性「制作したり表現したり手を動かしたり何か考えたり体を動かしたりすることで、ちょっと普段の生活と離れて自分自身と向き合う時間かなと思う、仕事に追われる時と離れて自分への休息や安定を求めて表現をしています」

那覇市在住・WSに参加の男子中学生「音楽を趣味やっているんですけど、こういう美術に触れることで音楽に生かせることや作品だけじゃなくて交流や新しい発見を得ることができるので来て良かったなと思いました」

講師の喜屋武さんは沖縄の赤土や、読谷飛行場跡地の土など天然顔料を使った絵画を制作。今日はこの場所、美術館の土も使っているという。

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講師・アーティスト 喜屋武知恵さん「もともとあった地球の土とかで絵が描けるんだっていうのを皆さんが生き生きやって下さって、できた作品について各々自分の思いを語って下さっていたのでアートを通じて幸せになるんだなーって今日は思いました」

喜屋武さんもグループ展に出品している作家のひとり。「みつばちシリーズ」では会期終了までにポストカードが80点まで増える予定だ。「80」という数は今年の「戦後80年」と繋がっている。

かと思うと、こちらでも何だか不思議なモノが誕生している!「竹&輪ゴムチャレンジ」という、名前どおりのワークショップだ。

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AIO(Art Initiative Okinawa)ティトゥス・スプリーさん
「竹でいろいろ結んだりすることは昔からあるんですけど、簡単に輪ゴムでできるというのがすごい発見だったんですね簡単にできるから、こんな(大きな?)形がパパパと作れる。子どもたちが私も考えられない形を作っていくんですけどとても面白いですね。ひとつつないだら、また次つないだら、本当に形がどんどんできるみたいな、 遊びでもあるし、学ぶことにもなると思います、空間について。竹で本当に大きな空間が作れるので」

南城美術館(副館長) 金元根さん「美術館というとみなさんからしたら、ちょっと芸術・美術わからないから私には難しいというかもしれないんですけど、この美術館は普通の生活空間、リビングとか和室を生かしている展示室になっていますので、より身近に作品を鑑賞しながら楽しめる空間にもなっています。12人各々の素材を生かしている展示の作品が素晴らしいと思うんです。個性のある展示だと思う」「そのまま直感的に見るものから、僕でもできるんじゃないかなということ、これが一番多分いいことじゃないかなと思うんですよ。それでまた自分の中で何かつなぐことができれば多分それが一番現代アートの楽しみだと思うんですね」

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自分にも作れるのでは? そんな風に思える温かみのある作品がこれ、南城市在住のアーティスト津波博美(つは・ひろみ)さんの「の」。の…?? 

内間 典子さん「『の』が良かったとか面白かった可愛かったっていう感想が聞こえてきて、でも実際は深く読んでいくと、その意味を知るとハッて気づいたり」

「の」が現しているのは糸満市、平和の礎に刻まれている名前のわからない「~の母」「~の長男」という風にしか記録されていない人々のこと。この愛らしいフォルムの中に込められた平和への願い。これは本来コンクリートで作られる花ブロックを陶芸で制作したロンドン在住の山内 盛彰(やまうち・もりあき)さんの作品。

内間 典子さん「今まで会うことのなかった作家さんたちが一堂に会するっていうので 共同作用というか、科学反応というか。沖縄は感性が素晴らしいと言われているので、そういった素材、種みたいなものはいっぱいあると思います。それを、どう発芽させてどう成長させていくか」

先ほどの中学生は早速ワークショップの体験を自分の音楽に取り入れて表現しているではないか!聴衆も聞き入っている。

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南城美術館 金元根さん「アートというか、 芸術とかそんな難しいことじゃなくて、 この場所、空間自体を楽しんで散策しながら、散歩しながら 写真撮ってもいいし、 楽しむ空間として使ってほしいです」

キュレーター(学芸員)の内間さんやアーティストの津波さんはイギリスに住んでいた事があり、また山内さんは今もロンドン在住でイギリスではごく当たり前に日常の中にアートがあるそうです。

「難しそう」と身構えずに、ありのままに楽しむ、それが、気軽にアートに親しむコツのようですね。この「Oh Deer展」は南城美術館で来年3月まで開催中ですぜひ足を運んでみて下さい。