楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。よろしくお願いします。
長田勇さん「よろしくお願いします。今回は海草の仲間「ウミヒルモ」と、そこに生息する生き物たちを紹介したいと思います。
どんな世界が広がっているんでしょうか、VTRをご覧ください。
長田勇さん「今回潜るのは石垣島・伊原間沖のインリーフ、北風が強く吹く季節、冬でも潜れます。石垣島のイエローサブマリン峰さんに、ウミヒルモの世界を案内して頂きます」
楽しみです、よろしくお願いします。
長田勇さん「水深8m、内湾性の海草でもあり、水深の浅い所に群生しているイメージがあります。砂地に生えている緑色の海草が『ウミヒルモ』です」
海底ですが陸地に生えている草と似ていますね。
長田勇さん「はい見た目もそうなんですが、陸の植物と一緒で種子植物でもあるんです。葉や茎があり、砂の中では根と茎で繋がっているんです。沖縄では方言で『ザングサ(ジャングサ)』と呼びますが、『ジャン』の意味分かりますか?
私わかります。『ジャン』ですから『ジュゴン』ですよね?
長田勇さん「素晴らしい、そうですジュゴンです。『ジャングサ』すなわち、ジュゴンが一番好きな草がこのウミヒルモ、葉っぱは楕円形で大きさが1cmから1.5cm、思っていたよりも小さいです」
本当だ、指先よりひとまわり小さいサイズなんですね。
長田勇さん「もうすぐ開きそうな葉っぱの赤ちゃん、こちらは葉が開いた状態、右下にあるのが子供の葉、茎や根も見えてますね。そして若々しい大人の葉っぱ。沖縄の水温だと、ウミヒルモ自体は入れ替わりがありつつも、一年中見ることができます」
季節で変わることなく青々としているんですね。
長田勇さん「そのようですね、さてここからはこのウミヒルモの世界で暮らす生き物たちを紹介していきましょう。葉っぱを利用する生き物、茎を利用する生き物、隠れ家にする生き物など、様々な暮らしをお見せします」
「まずはカムフラージュするヒメオニオコゼ。ウミヒルモを棲家とする生き物を狙っています。この魚は背びれに強い毒をもっている危険生物、見分けがつきにくいのでダイバーも注意が必要です」
石かと思ってしまいました。
長田勇さん「気を付けましょう。こちら、葉っぱに付いているのは貝の仲間ニジカノコ。なんと!ウミヒルモの葉を食べています。時間をかけてゆっくりと味わいながら食べているんです。やや食べ残しもありますが、これが食べられた跡」
葉の表面の緑の部分だけキレイに食べるんですね。
長田勇さん「美味しいんでしょうね。そしてこちらはコノハミドリガイ、ウミヒルモの茎についた藻を食べています。直接の被害はありません。こちらは葉っぱの下の茎を利用する生き物、タツノハトコの幼魚。体を安定させながら、獲物を探しています」
しっぽを巻き付けて、カムフラージュも上手ですね。
長田勇さん「そうですね、そしてこちらはハゲヒラベラの幼魚、外敵から身を守るため、葉っぱと同じ高さ、水底ギリギリで漂っています。幼魚たちにとっては安心して生活できる場所なんでしょうね」
ゆらゆらしていますね、すくすくと育ってほしいです。お、かわいい魚がいました!
長田勇さん「はい、毎年冬になるとウミヒルモ畑に現れるアイドル、イロカエルアンコウ。草原に現れた天使って感じですかね。緑とオレンジのコントラストが、なんとも華やかです。この日は別の個体も含め5匹見かけました。餌が豊富だったり、外敵から身を守るためには最適な環境なのかもしれません」
「手にも見えるヒレを葉っぱに置いていますね、なかなか様になっているポーズ。本人は獲物を捕るため真剣だと思いますが、何か笑っちゃいます。大きなあくびも披露してくれました」
愛嬌たっぷりで、まさにアイドルですね。お、ライトを照らして何か探しているんですか?
長田勇さん「はい、実は今回、峰さんと一緒に探していたもの」
何だろう?
長田勇さん「これはウミヒルモの蕾、茎からつくしの様に真っ直ぐ上に伸びています」
ということは、まさか花が咲くんですか?
長田勇さん「はい、そのまさかです。ウミヒルモは『かいそう』と言っても海の藻ではなく海の草、そして、植物と一緒ということは花も咲かす事が出来るんです。そして!ようやく咲いている花を見つけることが出来ました!花びらが3枚、上についている3本の棒の様なものが『おしべ』大きさは花全体でも5mm弱。本当に小さな花なんです。3本の『おしべ』と花びらについている斑点の色は薄紫色」
キレイですね、海の中でお花に出会えるなんて信じられないです。
長田勇さん「そうですよね、前日は蕾の状態、朝、見に行くと咲いていて、翌日には散ってしまいます。1日だけの儚い命なんです。ウミヒルモの花の報告例をみると、沖縄でも花の咲く季節はまちまち、ひょっとしたら一年中どこかしらで咲いている花なのかもしれません」
1日だけの美しさ、見ごたえがありました。
長田勇さん「ウミヒルモ、まだまだ知らないことばかりでしたが定期的に観察しに行きたいなと思いました」
今回もステキな映像をありがとうございました。
以上「楽園の海」でした。
















































