たどる記憶つなぐ平和#23「生き別れの弟に贈る祈り」

たどる記憶つなぐ平和#23「生き別れの弟に贈る祈り」

戦後80年の節目のことし「たどる記憶つなぐ平和」として特集でお送りしています。今週は慰霊の日まで毎日お送りします。きょうは、沖縄戦当時4歳だった男性が語る、忘れることができない記憶です。
糸満市の米須小学校向かいにある「忠霊之塔」米須地区の一家全滅した家族を祀るために1959年、遺族により建立されました。
久保田宏さん「5.6年前までは7・8人ぐらいいたんですよ」「その人たちも高齢になって、90歳になって、別の方がたは、それで僕1人でやっています」
慰霊の日を前に、塔の周辺を掃除するのは久保田宏さん。この塔には、159人の名前が刻まれています。そこには、久保田さんの母と祖母の名前も、塔の下には「アガリン壕」という自然壕があり、この塔を建立するきっかけになった場所でもあります。
1945年6月10日ごろアメリカ軍が南部に進撃し地上戦が激しくなる中、住民たちはアガリン壕で爆撃におびえ、飢餓と恐怖を抱きながら身を潜めていました。