米兵事件・被害者救済 未だ進まず 記者解説

米兵事件・被害者救済 未だ進まず 記者解説

2008年に発生した、アメリカ軍関係者による強盗致傷事件。この事件で、日米が交わした「見舞金」制度をめぐり被害者の家族が翻ろうされ続けています。
2008年1月、沖縄市でタクシーに客として乗っていたアメリカ兵2人が、乗務員の宇良宗一さんを襲い、運賃を支払わずに逃走する強盗傷害事件を起こしました。宗一さんは、事件後、PTSD・心的外傷後ストレス障害と診断され仕事復帰ができず苦しみながら、事件から4年後ガンで亡くなりました。
アメリカ側が宇良さんの家族に対して示談金としておよそ150万円を支払うとしたのは事件から9年後、代わりに加害者の免責を要求してきたことなどから家族は「正当な補償」を求めて提訴しました。
その後、裁判所が被害者に対しておよそ2600万円を支払うよう命じる判決を出し補償額が確定します。アメリカ側は示談金のおよそ150万円しか支払わないため、残りの補償額を国が肩代わりする制度「SACO見舞金」で対応することになりました。
しかし、2019年に国が申請書で提示した金額には、補償額が確定するまでにかかった利息「遅延損害金」のおよそ900万円が含まれず、宇良さんの息子の宗之さんは、この内容では、受け入れることができないとして、「遅延損害金」を含む支払いを求める新たな裁判を起こしました。