「ホルムズ海峡が封鎖されたままでも戦闘を終わらせる用意がある」とトランプ大統領の新たな作戦の可能性が報じられるなか、終結に向けた協議は本当に行われるのか。専門家に聞きます。
■紅海も?フーシ派が封鎖を示唆
原油価格がさらに高騰。トランプ大統領のSNSがきっかけでした。
トランプ大統領
「イランと合意に至らないか、あるいはホルムズ海峡が直ちに正常な通航状態にならなければ、イランのすべての発電所と油田、カーグ島を爆破し完全に抹殺する」
この投稿を受け、原油供給逼迫(ひっぱく)懸念から、アメリカのWTI原油先物価格は急騰。終値で3年8カ月ぶりに100ドルを突破しました。
そんななか、新たな懸念も…。
アフリカ大陸の北東部に位置するジブチ。
そのジブチとイエメンの間にあるバブエルマンデブ海峡は、紅海とアデン湾を結ぶ輸送ルートのもう一つの要衝で、ホルムズ海峡を通らない代替ルートとして注目されています。
取材した時点では穏やかだったバブエルマンデブ海峡ですが、イエメンに拠点を置く親イラン武装組織・フーシ派が反米、反イスラエルを掲げて動きを見せ始めています。
フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
「我々は対抗措置の第1段階に入りました。イスラエルへの攻撃です。我々にはいくつものカードがあり、アメリカやその同盟国に対し、圧力を強めるために使っていくことになります」
これまでにも紅海を通る船舶に対し攻撃や拿捕(だほ)するなど、軍事力を誇示してきたフーシ派。
ANNの取材に対し、バブエルマンデブ海峡の封鎖を示唆したほか、船舶から通航料を徴収することも今後検討すると語りました。
フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
「バブエルマンデブ海峡を封鎖するカードも含めて、我々の対抗措置の程度はアメリカとイスラエル次第です。周辺国がイラン攻撃にどこまで加担するかにもよります」
懸念されるのは、ホルムズ海峡とバブエルマンデブ海峡の“ダブル封鎖”。世界のエネルギー市場に暗い影を落としながら、イラン情勢は混迷の度を深めています。
■“停戦交渉”は行われている?
レビット報道官
「イランの表向きでの見せ掛けの姿勢や誤った報道にかかわらず、交渉は順調に続いている。公の場で語られていることは非公開で、私たちに伝えられていることともちろん大きく違う」
イランの公式の立場は「交渉そのものが行われていない」です。
ただ、アメリカが要求する核能力の解体やミサイルの数や射程の制限などの15の項目は伝わっています。
イラン外務省 バガイ報道官
「私たちに伝えられてきた内容は15項目であれ、それ以上でもそれ以下でもあれ、極めて過大で非現実的、非合理的な要求だ」
本当に、トランプ政権が主張するように交渉は進んでいるのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「文字通りの協議はまだ行われていない。第三国・仲介国を介してお互いの意思疎通はしているように見える。協議あるいは交渉をやっている段階にはない」
慶應義塾大学 田中浩一郎教授
「接触を間接的に試みていたとしても何かがまとまるような話ではない。メッセージを交わしたというのはイラン側も認めている。一切ないということをイラン側が言っているわけではない。メッセージの伝達=交渉ではないというのがイランの立場」
では、トランプ大統領が「交渉は順調だ」と主張する狙いはどこにあるのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「おそらく過大な評価ではあると思いますけど、交渉がうまくいっているということで少しでもマーケットを安心させて、原油価格を下げたいという狙いがあると思います」
イランへの攻撃が始まって以来、アメリカの株価は5週連続で値下がりしています。
明海大学 小谷哲男教授
「トランプ大統領は、戦略を立てる、ビジョンを持って取り組むことをやらない人物。とにかく日々のマーケットを見て、原油価格を下げるために取れることをやるということしか今は頭にないと思います。交渉が駄目だということになれば、さらなる軍事作戦の拡大もあるでしょうし、場合によっては投げ出すということもあり得ると思います」
■“ホルムズ封鎖”でも終結の用意?
「ホルムズ海峡が閉鎖されたままであっても、アメリカの作戦を終える用意がある」。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは30日、トランプ大統領が側近にそう伝えたと政権関係者の話として報じました。
問題を先送りにし、場合によっては通航再開の交渉をヨーロッパや周辺国に主導させる方針だといいます。
ただ、アメリカがやめたくても戦闘が続く可能性はあります。
慶應義塾大学 田中浩一郎教授
「イラン側はアメリカとイスラエルをある程度痛めつけないと“再び戦闘になる可能性がある”と懸念。停戦という生ぬるいものでは済ませない。イスラエル側は『イランの体制を潰さないといけない』とずっと言っていて、それを追求するつもり。イランもイスラエルも戦いに疲れていない。まだやってやるという思いが強い。アメリカが間でウロウロしようと、結局終わらない」
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