2月28日に米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が開始されてから約15時間後、トランプ米大統領は声明を発表し、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が死亡したと明らかにした。さらに、「歴史上もっとも邪悪な人物の一人であるイランの最高指導者ハメネイ師が死んだ」として、今回の軍事行動を「正義」であると強調した。イスラエルの複数メディアは、イラン当局が首都テヘランの施設から回収されたとされる遺体の写真を、トランプ大統領およびネタニヤフ首相に提示したと伝えた。イランの国営メディアも3月1日、最高指導者ハメネイ師(86)が死亡したことを報じた。
米国とイスラエルによる攻撃は2月28日に開始された。現地時間午前9時ごろ、イランの首都テヘランで複数の爆発が発生。イラン国営テレビは、全31州のうち20州で攻撃があったと伝えた。軍事作戦は空と海から実施され、戦闘機や巡航ミサイル「トマホーク」が使用されたとみられる。米軍の空母2隻はイランを挟む形で展開。作戦は当初、核兵器製造能力の放棄を迫る「初動攻撃」と、体制転換を視野に入れた「第二段階」に分かれるとの観測があったが、実際には両段階が同時進行している可能性も指摘されている。専門家の間では「長期紛争を見据えた布陣」との見方も広がっている。イランによる報復も激しさを増している。イスラエルに対するミサイル攻撃のほか、バーレーンにある米海軍第5艦隊司令部が標的となった。さらに、クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーンに所在する複数の米軍基地がイラン革命防衛隊の攻撃を受けたと伝えられている。中東全域に戦火拡大の懸念が強まる中、軍事衝突は民間人にも被害をもたらしている。イラン国営通信は28日、イラン南部ミナーブの小学校が攻撃を受け、児童少なくとも108人が死亡、60人が負傷したと報じた。
トランプ大統領は軍事作戦の進展と並行し、イラン国民に対して異例の直接的なメッセージを発信した。声明でトランプ氏は、「我々の軍事作戦が終了したら、あなたたちの政府を掌握せよ。それはあなたたちのものになる。これはおそらく何世代もの間で唯一の機会だ」と述べ、事実上、体制転換を促す呼びかけを行った。イラン国内ではすでに政府に対する抗議活動が続いていた。2025年12月28日、首都テヘランで物価高騰への不満を背景に抗議活動が発生。その後、抗議は全土100以上の都市や町へと拡大した。ネタニヤフ首相は昨年6月、イラン国民に向けた演説で、「私はあなた方の解放の日は近いと信じている。そうなれば、われわれの古くからの偉大な友情が再び花開くだろう」と述べ、将来的な関係改善への期待を示すとともに、事実上、現在のイラン体制の変化を示唆した。今年1月8日には、イラン全土でインターネット接続が遮断され、外部から状況を把握することが困難となった。情報統制が強まるなか、犠牲者数をめぐる発表には大きな開きがある。イラン当局はデモに関連する死者数を3117人と公表している。一方、米国に拠点を置く人権団体は、6872人の死亡を確認したとしている。
今回の軍事行動は、米国とイランの核協議が継続する中で実施された点でも波紋を広げている。2月26日、スイス・ジュネーブでオマーンの仲介により間接協議が行われた。日本時間3月2日には、オーストリア・ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で4回目の協議が開催される予定だった。攻撃は、その直前に踏み切られたことになる。3回目の協議後、米国側は公式声明を出さなかった。一方、イラン側は「数時間にわたり集中的な交渉を行い、良い進展があった」と発表。核問題および制裁解除について、合意に向けた要素を真剣に議論したと強調していた。交渉内容については、米国は強硬な要求を提示していた。イランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの三つの主要核施設の破壊、保有する濃縮ウランの全量を米国に引き渡すこと、そして永続的な核合意の締結を求めたという。しかし、イラン側はいずれも拒否したとされる。
トランプ大統領は2月24日の一般教書演説で、「イランが核計画を再開し、米国に到達可能なミサイルの開発を進めている」と主張していた。しかし、この主張に対しては米国内でも疑問の声が上がっている。複数の関係筋によれば、「イランが近く米国本土に到達可能なミサイルを保有する」との大統領の発言は、米情報機関の報告による裏付けがなく、誇張の可能性があると指摘されている。さらに、米情報機関や軍事専門家は、イランの大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発について「米本土を標的にできる水準の配備には依然として多大な技術的課題が残る」との見解を示している。今回の対イラン攻撃をめぐっては、2003年のイラク戦争との類似性を指摘する声も出ている。2002年7月、当時のブッシュ政権はイラクが大量破壊兵器を保有していると主張した。これを根拠として翌2003年、イラク戦争が開始された。しかし戦後、大量破壊兵器は最終的に発見されず、情報収集および分析過程に重大な問題があったことが指摘された。
★ゲスト:田中浩一郎(慶応義塾大学大学院教授)、小谷哲男(明海大学教授)、三牧聖子(同志社大学大学院教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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