第51回衆議院議員総選挙の投開票が、2月8日に行われた。高市早苗総理(自民党総裁)による電撃解散によって幕を開けた今回の選挙は、政権の進路そのものを問う政治決戦として位置づけられ、真冬の超短期決戦の中で、各党が激しく火花を散らした。衆院の総議席は小選挙区289、比例代表176の計465議席。今回の解散に際し、高市総理は自らの進退を賭け、国家経営を託せる政権体制かどうか、議会構成を問い直すとして国民に信を問う姿勢を鮮明にした。一方、総務省は8日、衆院選の期日前投票の投票者数が2701万7098人だったと発表した。前回2024年衆院選から約606万人増え、国政選挙で過去最多の人数となった。
各党の公示前勢力では、自民党が198議席で最大勢力を維持する一方、単独過半数には35議席足りない。連立を組む日本維新の会は34議席で、与党合計は232議席と、過半数まで「あと1」に迫りながら届いていない状況にある。一方、野党側では中道改革連合が167議席を擁し、対抗軸として一定の規模を保つ。これに国民民主党27、共産党8、れいわ新選組8、減税日本・ゆうこく連合5、参政党2、保守1、無所属・その他15が続く。
衆議院選挙では、各党の獲得議席数が政権運営の安定度や政策実現の可能性を大きく左右する。焦点となるのが、議席数ごとに定められた政治的な意味合い。まず、与党が単独で政権を維持するための最低ラインが「過半数」の233議席。この水準に達すれば、野党の協力を得ずとも法案の可決が可能となり、基本的な政権運営に必要な基盤を確保できる。次に「安定多数」とされる244議席は、すべての常任委員会で委員の半数を確保できるほか、委員長ポストも与党が占めることが可能となる。さらに上の「絶対安定多数」は261議席で、すべての常任委員会で過半数を確保し、与党だけで法案の可決ができる。そして最も象徴的な節目が、全体の3分の2にあたる310議席。この水準に達すると、参議院で否決された法案を衆議院の再可決で成立させることが可能となる。
2月の選挙戦は厳しい自然環境の中で展開された。豪雪地帯では除雪が間に合わず、自治体がポスター掲示板の数を減らす対応を迫られたほか、暴風雪の影響で候補者が街頭での呼び掛けを見合わせ、インターネットを駆使した活動に切り替える場面も見られた。物理的な制約が選挙活動に影響を及ぼす異例の事態となり、有権者と候補者双方にとって過酷な戦いとなった。
政策論争では、消費税をはじめとする減税策が多くの政党の公約の柱となり、家計支援を競い合う構図が前面に出た。一方で、旧統一教会問題や政治資金の裏金疑惑をめぐり、野党が選挙戦で、一斉に与党を追及する場面も目立った。しかし、論点は多岐にわたる一方で、短期間の選挙戦という制約も見られた。真冬の厳しい環境の中で繰り広げられた選挙戦は、最終局面まで情勢が見通せないまま推移した。有権者は、物価高対策をはじめとする経済政策、政治の信頼回復、そして激動する国際情勢の中で、日本の立ち位置をどう評価したのか。国家の舵取りを誰に託すのかという問いに対し、国民がどのような判断を下したのかが注目される。
★ゲスト:牧原出(東大先端研教授)、久江雅彦(共同通信編集委員兼論説委員)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)







































