中国政府による日本への渡航自粛呼び掛けからちょうど1カ月です。この間、日本、中国それぞれの街中はどういう変化があったのか取材しました。
■“渡航自粛”1カ月 それぞれの街は
雷門の前では、外国人観光客が記念写真を次から次へと撮っていました。
東京力車 瀬尾聡太さん
「たくさんお客さんはいる。6対4くらいで海外の人が多い印象」
問題は中国本土からの観光客の動向です。仲見世の土産店などは“自粛の影響”は限定的だとしながらも、中国本土からの観光客は減っていると話します。また、レンタル着物店も売り上げが下がっているといいます。
高市総理が国会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と発言したのを受け、中国政府が日本への渡航自粛を呼び掛けて、14日でもう1カ月にもなります。
中国事情に詳しい東京大学 阿古智子教授
「(Q.中国政府は高市総理の発言をどう思っているのか?)非常に怒っていることは明らか。台湾問題は日本が関与すべきではないというのが中国のスタンスなので」
中国政府が今回発表したのは「渡航禁止」ではなく「自粛」。このため、政府の影響を強く受ける団体旅行などが次々とキャンセルになっていますが、個人の旅行者は日本に来ています。
中国本土からの観光客
「(Q.日本旅行自粛の呼びかけの影響は?)全然、影響はない」
「(Q.友人や家族は日本旅行を心配した?)気を付けてくださいと」
香港からの観光客
「あまり深くは考えていない。平和に暮らしているので気にしない」
阿古智子教授
「中国政府としては表向きはやはり強い態度を見せなければいけないというのはあるけれども、経済活動はあまり圧力を掛けたくないというのが本音じゃないかなと」
それでも心配はあります。中国中央テレビは中国の航空会社が減便すると報じました。また、大手3社もキャンセルや変更の手数料無料を来年3月まで延長すると発表しました。
中国人の42.6%が入国する関西国際空港も中国航路の3割が減便になるという見通しを明らかにしています。
■日本グッズ求め「愛国心はあるが…」
一方、中国国内では日本の文化に対しての人気は根強いものがあり、北京市内にある日本のアニメのキャラクターのグッズなどを販売する店では、イベントがない日にもかかわらず、客は若者を中心に途切れることなく来店していました。
日本のアニメグッズ店の客
「愛国と趣味は別だと思う。愛国心はもちろんありますが、自分の趣味なので、やっぱり買ってしまった。中国で製造してるし」
中国政府の「自粛」が続いても日中の人的交流が完全に止まることはなさそうです。
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