「政権への審判」とされる来年のアメリカ中間選挙に向けてトランプ大統領が地方遊説を始めました。物価高を止めたという訴えはどう受け止められたのでしょうか。
「LOWER PRICES BIGGER PAYCHECKS」と書かれた看板が掲げられています。トランプ大統領は経済政策について演説するとみられ、会場には多くの支持者が集まっています。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカの生活費を再び手頃にすることが最優先だ。物価高騰が引き起こされたが、我々はそれを抑制する。単純明快だ」
トランプ大統領は9日、ペンシルベニア州で演説し「バイデン政権が物価高を招いた」と批判しました。
一方、自身の政権下でガソリンやタマゴの価格が下がったと強調しました。
トランプ大統領
「我々は物価を急速に下げてきた。あなたたちは、より低い物価と、より多くの給与を手に入れる」
支持率が低迷し、地方選挙でも与党・共和党の苦戦が続くなか、来年の中間選挙を見据えた地方遊説を始めました。
大統領選で“激戦州”とされたペンシルベニア州では、生活費の高騰について人々の不満が募っています。
スーパーの利用客
「物価が高すぎるから引っ越す。ガソリン代も食料品も高い。給料も上がっていない。経済は上向きでも、多くの人が昇給していない」
生活者の認識は、トランプ氏の主張とは大きくかけ離れています。
地元で愛されているこちらのクッキー店では、来月から値上げすることが決まりました。
クッキー店経営者
「バターやチョコレートなどほとんどの材料が値上がりか横ばいの状態。チョコレートの価格は全然下がらない」
1枚=3.75ドルの価格を来月から4ドルに引き上げる予定です。3年前に営業を始めて以来、初となる値上げは苦渋の決断でした。
トランプ大統領
「インフレは止まり、賃金は上がり、物価は下がった。我が国は強くなった。アメリカは再び尊敬され、復活した」
トランプ氏は従来の経済政策を自画自賛しましたが、演説を聞きに来た人はどう受け止めたのでしょうか。
演説を聞いた人
「トランプ大統領は大好きだけど、彼は同じことを何度も話している。ガソリン代引き下げなどの成果もあるけど、他のことも話してほしかった」
「経済は危機的状況で、それを改善するつもりなら賛同する。でも、重要なのは言葉ではなくて行動だ。『誰に責任があるか』ではなくて、問題の解決策を見つけることが大事」
就任からまもなく1年を迎えるトランプ大統領。国民の不満をどう解消するのか、厳しい視線が向けられています。
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