およそ170棟を焼いた大分市佐賀関の火災のうち、およそ4割が空き家だったことが分かりました。専門家は空き家に燃え広がったことで初期消火が遅れ延焼した可能性を指摘しました。
■「涙出る」終の棲家全焼
発生から丸二日。未だ鎮火にはいたっていません。およそ4万8900平米に燃え広がり、およそ170棟の建物に延焼しました。
66年間住み、2年前にリフォームしたばかりの終の棲家を失った女性は…。
警察
「消防がずっと消火をしているので」
自宅が全焼した女性
「なんか涙が出る」
警察
「心苦しいが気持ちお察しする」
自宅が全焼した女性
「いいんです、いいんです」
三方が海に囲まれた佐賀関は関サバや関アジで有名な漁師町。およそ100年前から鉱山の町としても発展しました。しかし、人口はここ10年で3割近く減り、空き家が急増。佐賀関地区には4257世帯住んでいますが、561戸が空き家です。
避難者
「私が逃げる瞬間、左側の空き家、約10メートル離れた所から火が出た」
■無人で「初期消火できない」
火災にあったおよそ170棟のうち、空き家などは4割あまりだということです。
名古屋大学 減災連携研究センター
平山修久准教授
「例えば飛び火したとしても、初期消火は人がいないとできない。延焼リスクは空き家率が大きければ大きいほど(延焼の)恐れが大きくなる。これから全国で空き家率が高くなっている地域は、何かあった時は大きな被害につながるかもしれない」
大分県内では大規模火災の後、相談が相次いでいます。
NPO法人 空き家サポートおおいた
松尾修二事務局長
「(火災の)状況をみて、空き家を何とかしないといけないと相談していただく方が来ている。1カ月で約10件前後だが、3~4件、この2日間で」
佐賀関は道幅が狭く、廃材の持ち出しなどが手作業となり、解体費用が通常の2~3倍になるということです。
松尾事務局長
「見積もりなどは出すが、実際の数字を見てちょっと負担が大きいと、その後の相談がない。そのままになっているものが多い」
どう解決すればいいのでしょうか。
平山准教授
「空き家問題というのは、本当にこれから深刻で、個人で何とかしてくださいというものではないと思う。空き家をどうするのか、中長期的にしっかりと行政と住民の議論する場。それがこれから全国どこの地域でも大切だと思う」
(「グッド!モーニング」2025年11月21日放送分より)






































