住宅で見つかった男性の遺体はクマに襲われたとみられています。被害が相次ぐなか、自衛隊の派遣を要請する自治体も。
■爪痕やかみ傷…クマが襲撃か
響く銃声、住宅の庭先です。放たれたのは計3発でした。
また、クマに人が襲われたのでしょうか。この家に住む男性の親族から「連絡が付かない」と通報があり、現場を訪ねた警察官が遺体を発見。この家に住む行方不明の60代男性が襲われた可能性があります。
遺体には獣による爪跡や、かまれた傷があったということです。
■クマ被害 自衛隊派遣を要望
相次ぐ人身被害。秋田県の鈴木知事は…。
秋田県 鈴木知事
「秋田県の状況はずっと限界に近い状況。頼るのは自衛隊のほかにない」
鈴木知事は28日にも防衛省を訪問し、緊急で自衛隊の派遣を要望するとしています。
日本海側に面した北海道苫前町でもヒグマが人里に現れる異常事態が続いています。
国道の近くに設置した箱わなは2つ。そこに推定体重150キロのヒグマが入りました。さらに、町に大きな衝撃を与えたのが箱の中で向きを変えるのも一苦労といった様子の大きなヒグマです。実際に測ってみると、体重はちょうど300キロの巨大ヒグマでした。
そして、つい先日も新たに雄のヒグマを捕獲。箱わなによる捕獲は今季すでに3頭目。それでもハンターは「安心できる状態ではない」と話します。
苫前町猟友会 林豊行会長
「推定(体重)400キロぐらい」
いまだ捕獲されていないという「400キロ級のヒグマ」。どんな大きさのヒグマなのでしょうか。その大きさが明らかに。
■400キロ級ヒグマ どこへ?
苫前町猟友会 林豊行会長
「左にわな仕掛けてある。(推定)400キロ近いクマがいた場所」
苫前町の道路沿いに設置されたわなに反応したのは、見るからに丸々と太ったヒグマ。よく見ると、お尻の右側に特徴的な傷が。歩くたびにおなかに付いた脂肪が揺れているのも分かります。
苫前町猟友会 林豊行会長
「推定で約400キロある」
明らかに箱わなのサイズを超えていそうなお尻をしています。
苫前町猟友会 林豊行会長
「利口なクマで、このおりにはわなには入らない可能性が大きい」
林さんは人の生活圏内に400キロ級のヒグマを含め、まだ5頭以上が潜んでいるとみています。
400キロ級のヒグマの正体は…。
の苫前町といえば、クマとの因縁が深い“クマの町”。町の歴史が展示された施設です。
そのなかでも、一際目を引くのがヒグマの剥製(はくせい)。昭和55年にハンターが射止めたヒグマです。
苫前町猟友会 林豊行会長
「体重が500キロ。(当時)5、6人で回収に行った」
苫前町の人里をうろつく400キロ近いヒグマは剥製より一回り小さなサイズとみられます。
苫前町猟友会 林豊行会長
「実際に近くで見たら動けない。足がすくむ」
今季は全国で猛暑による山の餌(えさ)不足が指摘されている状況なのに、なぜ400キロ級にまでなるのでしょうか。
苫前町猟友会 林豊行会長
「デントコーンを好きなだけ食べた」
林さんは人里の食べ物で巨大化したとみています。
一方で、苫前町の場合、出没増加の原因は餌ではないと分析。
苫前町猟友会 林豊行会長
「(出没が)異常に多いのはみんな感じている。結局とっていないから増える」
苫前町猟友会 林豊行会長
「近寄ってきます。クマが近寄ってきます」
近年の人里への出没を抑えるため、北海道では1990年に廃止された「春グマ駆除」が2023年に「春期管理捕獲」と名称を変え、再開しています。ただ、思うような成果が出ていないのが実情です。
苫前町猟友会 林豊行会長
「思うように鉄砲をクマが出たからと出動するのは難しい」
苫前町猟友会の会員は現在9人。
苫前町猟友会 林豊行会長
「ほとんどが農家で、農繁期は招集を掛けても出てこられない。そういう状況が今までもそうだし、これからも続くと思う」



















