高市総理誕生へ 自民との連立で維新どうなる?幹部直撃「党の存続どちらでもいい」

高市総理誕生へ 自民との連立で維新どうなる?幹部直撃「党の存続どちらでもいい」

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あさって火曜の臨時国会で、自民党の高市総裁が女性初の総理大臣に選ばれる公算が高くなってきました。そして、自民との連立に合意する見通しの日本維新の会。前代表の馬場顧問は、番組の取材に対し、「我々が訴えてきた事がすべて実現すれば党の存続はどちらでもいい」と語りました。

■自維連立あす月曜“合意”も閣外協力へ

(草薙和輝アナウンサー)「時刻は午後4時です。今、日本維新の会の馬場顧問が党本部に到着しました。このあと自民党との協力関係などについて、話し合うものとみられます。」
午後4時から始まった日本維新の会の常任役員会。
(日本維新の会 吉村洋文代表)「みなさんの意見をしっかりと聞いたうえで判断したいと思いますのでよろしくお願いをいたします」
そして1時間後…
(日本維新の会 藤田文武 共同代表)「きょうの役員会としては、私とそれから吉村代表に一任という形できょうの会議は終えました。私からは以上です。皆さんからどうぞ」
Q.議員定数の削減に関しては?
(日本維新の会藤田文武 共同代表)「もうそこもかなり細かい文言をどうするかっていう話にもつながってくるところですので、あしたの結果を見ていただきましょう。大詰めはなかなかしゃべれること少ないんで、これは信頼関係の話で、居酒屋やったらしゃべってええかもしれませんが、ちょっとそういうことなのでご勘弁いただきたいです。よろしいでしょうか?これで終わりで。」
終始笑顔の藤田氏。
自民と維新はあす午後、連立政権の合意書に署名を行う見通しです。あさっての総理大臣指名選挙では高市総裁に投票し、維新からは当面、大臣は出さず「閣外協力」とする考えです。

■維新幹部を直撃“党の存続”こだわらず

常任役員会の終了後、日本維新の会の前代表で、現在顧問を務める馬場氏が番組の単独取材に応じました。
(日本維新の会 前代表 馬場伸幸 顧問)「きちっと大臣とかは出さずにですね、与党と是々非々で、そういうフリーハンドの立場を保つためにはですね、私は閣外の方がいいんじゃないかと。」
Q.閣外協力がいいと思う理由は?
「まだ我が党と自民党が、格たる信頼関係がつながっているかといえばまだ希薄です。公明党さんも連立離脱されましたが26年間お付き合いしても、やっぱりあなたのこと信用できませんよと、最終的にはそういう形で連立を離れられたわけですから、我々もですね、自民党がこの先約束したことを本当に真面目にやってくれるかどうか、結果を出してくれるかどうか、これはやっぱり少し距離感を持った上でこれからお付き合いをしていく。」
「やっぱりそこで我々は“反自民”じゃなく、“非自民”という言い方をしてましたから、これからもし協力関係が成立した時にどういうことをやるのかということをよくご覧いただいてね、そこでもう一度評価していただければいいんじゃないかなと思いますね。」

吉村代表が連立の絶対条件としていた議員定数の削減については、衆議院の比例代表を削減の対象とする方針です。
維新の幹部によると両党は、食料品の消費税の廃止については継続協議とし、企業・団体献金の廃止については、高市総裁の任期の2027年9月までの実現を目指して協議することで折り合いました。
Q.去年衆院選のときに馬場さんが“政治とカネ”に関する問題について一緒に自民党とやっていくのは不可能じゃないかと…
(日本維新の会 前代表 馬場伸幸 顧問)「ご理解いただきたいのは衆参ともに与党は過半数割れして今までの与党、公明党さんが離れましたから、今の自民党だけでは何も政治が前に進めません。やっとそういう話をしても『そうですか』と前向きに聴いてもらえる環境が整ったわけです。1年前とは全然状況が違うんで、やはり今は聴く、聴かなければならない状況に自民党は追い込まれていますから、そこで一気にその話を進めていくと」
Q.連立となった時に、党として消滅してしまうのではないかとの声もあるが?
「我々が訴えてきた事がすべて実現すれば、党の存続はどちらでもいいと思うんですよね。
Q.やりたいことができれば、党は存続しなくてもよい?
「そういうことですね。党のために我々政治をしているわけでもありませんので、それはみんな腹くくっていると思いますね」

■議員定数削減 「民意を切ってしまう」

議員定数の削減について、野党各党は強く反発しています。
比例区選出の議員が多い公明党にも衝撃が走りました。
(公明党 西田実仁 幹事長)「それは大変危機感を感じます。身を切るということは、もちろん大事です。しかし身を切ることで、かえってそういう幅広い民意、多党化の時代に多様化しているいろんな民意を切ってしまう。身を切るだけでなくて民意を切ってしまう。そういうようなことがあってはならないと思います。」
(下村彩里アナウンサー)「企業団体献金を廃止すると、もし自民と維新の間で合意された場合、自民ともう一度手を組むことはありますか?」
(公明党 西田実仁 幹事長)「いやないです。まず廃止の中身が分からないので、全面的に本当に廃止するということは率直に言って考えにくいです。なぜならば私ずっとやってきましたので、企業団体献金が持つ意味というのは自民党にとってはとっても大きいものであるという認識なんですよ。」

■自民&維新“電撃連立”で現場混乱

公明党の連立離脱からわずか10日後、新たに連立を組む見込みになった自民党と日本維新の会。それぞれの内部で“動揺”が広がっています。
去年の衆院選、大阪12区で維新の候補に敗れた北川晋平氏。
(自民党 大阪府連 衆院選(12区)で落選 北川晋平氏)「維新との連立についてめちゃめちゃ言われるんですけど、どう思います?」
(支援者)「難しいな、急に降って湧いたみたいな話やもんな。みんな議員の人かて、どう答えてええかが一番難しいよね」
(北川晋平氏)「困ってるんですよ。僕は選挙出られへんのちゃうか言うて」
維新との連立で選挙区調整が行われれば、出馬できない可能性が高まります。
(北川晋平氏)「立候補できなくなるというのは、僕らも不安、納得いかないところはやっぱりあると思いますから」

維新は去年の衆院選、大阪の19の選挙区で全勝し、自民と公明は全敗しています。
(自民党 大阪府連 衆院選(2区)で落選 左藤章氏)「勝たしてください、勝たしてください」
同じく去年の衆院選、大阪2区で出馬し維新の候補に敗れた左藤章氏。
Q.選挙区の調整もしようとなった場合、大阪の自民党はどうなる?
(左藤章氏)「一般的に言うとね、現職優先ということになっちゃうと、(自民党候補は)ゼロになっちゃいますね。候補者がいなくなるということは普段から活動がなくなるということですから、そうすると地方議員も弱くなってくる。壊滅になってしまう。」

一方、動揺している人は維新にも…
(日本維新の会 藤田文武 共同代表)「参議院選挙では私の大親友・音喜多駿を失いました。柳ヶ瀬裕文を失いました。つらかった」
(日本維新の会 元政調会長 音喜多駿氏)「消滅してほしくはないですが、僕も90%…それは言い過ぎかな、かなり高い確率で(維新の)消滅・埋没のリスクはあると思います」
去年の衆院選、今年の参院選と立て続けに落選した元政調会長の音喜多氏。自民党との連立には消極的な立場です。
(日本維新の会 元政調会長 音喜多駿氏)「自民党とはこれまで何度も合意文書を結んでは破られてきたというような経緯もあって、本当にその約束が履行されるかということについては、私はなお懐疑的な目で見ています。90%以上の確率でなくなってしまったり、あるいは党勢が縮小してしまうと思うんですが、前に進もうと腹をくくるのであれば、私はそれは応援したいなと。」
(佐々木一真記者)「午後4時です。引っ越し作業を行っていたとみられる石破総理が公邸から出てきました」
約9カ月住んだ公邸から引っ越す石破総理。あさって火曜の総理大臣指名選挙では、高市氏が総理大臣に選ばれる公算が大きくなっています。

10月19日『有働Times』より