イスラエルとハマスの和平合意。2年に及ぶ人質生活からの解放が迫る中、人質の家族を中心に、和平を仲介したアメリカ・トランプ大統領への賛美の声があがっています。
■人質家族は歓喜「トランプ」コールも
(松本拓也記者)「ウィトコフ氏とクシュナー氏の姿も見えます。会場からは大きな歓声があがっています」
イスラエルのテルアビブで開かれた人質家族の集会には、和平交渉に関わったアメリカのウィトコフ中東担当特使に、トランプ大統領の長女イバンカ氏、その夫、クシュナー元大統領上級顧問も参加しました。
(トランプ大統領の長女イバンカ・トランプ氏)「今夜、私たちはここテルアビブに共に立っています。待ち続け、祈り、信じた家族の強さに敬意を表します」
ウィトコフ氏が壇上で、イスラエルの首相の名前を挙げると―。
「ベンヤミン・ネタニヤフ首相が…」
ブーイングが止まらないのは、ネタニヤフ首相が極右政党との連立政権維持のため、人質解放より、戦闘継続にこだわってきたためです。
一方で、この名前を出すと―。
「ドナルド・J・トランプ大統領」
歓声があがり、さらにトランプコールまで。
「ありがとう!トランプ!」
今回、イスラエルとイスラム組織「ハマス」が合意したのは、アメリカが提示した和平案の「第1段階」まで。イスラエル軍は一定のラインまで後退するものの、ガザ地区の53%を引き続き掌握。
一方、ハマスは停戦から72時間以内に、人質全員を解放するという内容です。
(アメリカトランプ大統領)「月曜(13日)に人質が戻ってくる。彼らは地下にいた。ほんの一握りの人しか知らない過酷な場所だ。今、救出し、遺体も回収している」
トランプ大統領も、13日にイスラエル入りし、国会で演説。同じ日にエジプトのリゾート地・シャルムエルシェイクに移動し、中東の和平を話し合う国際会議で、議長をつとめると言います。
■「ハマス次第」再攻撃の可能性示唆
今回、解放される予定の人質は48人で、このうち生存者は20人とされています。
こちらの男性の父親は、人質として監禁中に殺害されたと言います。
(父親が人質となったロテム・クーパーさん)「高齢の父親は4カ月で命を落としました。彼を取り戻したいと思います」
人質解放の期限は、日本時間のあす13日、午後6時です。
(父親が人質となったロテム・クーパーさん)「私たちが重要視しているのは、誰も停戦の約束を破らず、ハマスが人質全員を解放することです。喪が明けたら、中東の平和も祈りたい」
イスラエル軍が地上侵攻した、最大都市・ガザ市。停戦が実現したことで、住民らが戻り始めましたが―。
(ガザ市に戻った避難民)「これがガザ?ガザに残されたものがこれ?これが人生?子どもたちの避難場所もない中、冬が近づいている。食料も水もない。きのうから子どもたちに一口の飲み水さえ与えられない」
ガザの保健当局によると、これまでのイスラエルによる軍事作戦で6万7000人以上が殺害され、そのうち2万人は子どもだと言います。食料不足も深刻で、栄養失調による餓死者も増えています。今回の停戦は、永続的な平和につながるのでしょうか。
期限までに人質が解放されない場合、イスラエルはどう出るのか、先ほど、ネタニヤフ首相の報道官が私たちの取材に応じました。
Q.全員が返還されなかった場合、停戦は破棄されるのか?
(ネタニヤフ首相報道官デビッド・メンサー氏)「もし返還できなければ、イスラエルには自衛の権利・義務がある。首相はきのう、“穏便な方法”も、“強硬な方法”もとれると述べました」
Q.再び攻撃する可能性はあるのか?
「イスラエルは自衛の準備ができている。準備は常に整っている」
10月12日『有働Times』より
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