「研究に執着と気迫があった」ノーベル生理学医学賞に選ばれた坂口志文さん

「研究に執着と気迫があった」ノーベル生理学医学賞に選ばれた坂口志文さん

 ノーベル生理学医学賞に選ばれた坂口志文さんと「制御性T細胞」の鍵となる遺伝子を特定した東大の堀昌平教授が坂口さんを讃えたうえで「信念と気迫があった」と研究への向き合い方を明かしました。

東京大学 堀昌平教授
「研究室のミーティングや議論、学会でのプレゼンテーションであるとか、そういうところでやっぱりいつ聞いても迫力のある素晴らしい話をされていたし、さすがは世界の第一人者だなと思いました」

 東大の堀昌平教授は25年以上前に坂口さんと出会った際、「シャイだが思慮深い」という第一印象を持ったといいます。

 その後、制御性T細胞を研究するため、2年ほど坂口さんの研究室に所属しました。

 研究室での坂口さんは日常とは違う一面を見せていたということです。

東京大学 堀昌平教授
「やっぱり研究においては厳しい方なので、なかなか論文が出させてもらえなくて、結構、卒業もギリギリ間に合うという人が多くて、あるいは伸ばさざるを得なくなった人もいてそういう意味では厳しい」

 堀教授は坂口さんとともに制御性T細胞の発生や働きの鍵となる遺伝子を特定し、学術雑誌「サイエンス」に論文を掲載しました。

東京大学 堀昌平教授
「こだわりというか、ある意味執着というか、本当にこの細胞が免疫においてとても大事だという信念を持っておられたし、それを自分の手で明らかにするんだという気迫も持っておられましたし、そこはすごく強く感じさせる方でしたね」