沖縄国際大学にアメリカ軍のヘリコプターが墜落して、きょうで22年です。悲惨な事故の記憶を風化させたくないと、朗読を通して実相を伝え続ける非常勤講師の姿から、沖国ヘリ墜落を見つめ直します。
「我々はいまヘリコプターが接触した校舎の中にいます。校舎の中にまでコンクリートの破片が入り込んでいます。ガラスが大きく割れ、目の前にヘリコプターの残骸が落ちています」

緊迫した空気に包まれる学内。22年前のきょう、沖縄国際大学にアメリカ軍の大型輸送ヘリCH53が墜落しました。事故当時は夏休み期間中だったこともあり、民間人の死傷者は出ませんでしたが、日常のすぐ隣で起きた大事故は今も県民の心に深く刻まれています。
当時、沖縄国際大学の外部講師だった佐渡山美智子さん。現在はフリーアナウンサーとして活動する傍ら、非常勤講師として「日本語表現」の講義などを行っています。あの日、講義の打合せのために大学に向かっている最中、ニュースでヘリ墜落を知ったと話します。
佐渡山美智子さん「私は現場に入れなかったですけど、怖いですよね。あと30分早く大学にいたとしたら、そこにいたんじゃないか、現実に起こるとは思ってなかったので改めてその怖さを感じたのと、やっぱり学生たち、大丈夫だったのかな?って」「学生も職員も教員も、大学にだれも入れないっていう状況が起こったことにすごく驚きを感じました」

大学関係者すら締め出される、異様な状況。日常を奪われた当時の恐怖は、月日が経つにつれて「この出来事を風化させたくない」という強い思いに変わっていったといいます。
佐渡山美智子さん「私は日本語表現の講義を持っている教員ですので言葉を通して、声にして届ける必要があるなと思っていたところで大学と相談しながら朗読ライブという形でその証言集を学生が声にして読むということで『朗読ライブVOICE』というタイトルで始めたんですね」

朗読ライブ「VOICE」。平和学ゼミの学生たちが集めた当時の証言、その”声”を朗読で伝える取り組みです。
佐渡山美智子さん「こんなに近くにヘリが落ちているのを見て、茫然としたし、ものすごく緊張して足腰が動かなかった」
朗読では現場にいた学生や消防士などが体験した当時の生々しい証言が学生たちの声で語られます。
佐渡山美智子さん「朗読は内容をちゃんと理解して伝えたい思いがしっかりなければ届かないものなので、そのことにも学生はちゃんと気持ちを寄せてくれて」
ひとつひとつの言葉に込められた重みを届けるため、一時休止を経て、ことし2月にも開催されました。

「ドドンという音がした。最初は車の事故かと思ったが、第一駐車場から走ってくる学生が、ヘリがジグザグに落ちたと教えてくれた。」「今も飛んでいるヘリを見ると落ちてくるんじゃないかと心配になる。もう二度と起こってはいけない」
「証言を声にして伝える」ことで、学生たちの受け止め方にも変化が生まれたと話します。
佐渡山美智子さん「そこにいたように声にして届けてくれたことに感動したっていう声があったり、あとやっぱり私たちにできることは何でしょうかっていう声があったり、それぞれが受け止めてこれから先のことを考えていく」
佐渡山美智子さん「私たちが伝えていきますといったあの当時の学生の声がこのまま続いてもっと広がって伝わっていくときっといい流れができると思います」

事故から22年。あの日から何が変わったのか。佐渡山さんはその問いに向き合い続けながら、これからも「声」を通して、記憶を次の世代につないでいきます。
佐渡山美智子さん「知っている私たちがまずはちゃんと忘れないこと伝えること、そこからしか始まらない気がします」「それぞれの役割がきっとあると思いますただ言葉をどう伝えていくのかというのは私の仕事でもあるのでちゃんと大事に言葉を届けていく方法は一緒に考えていきたいと思っています」
フリーアナウンサーとして言葉を届ける仕事を続ける佐渡山さんだからこそ「知っている私たちがまずは忘れないこと、伝えること」という言葉には重みがありますよね。
22年経ちましたが、私たちは〝あの日〟を忘れず、見つめ続ける必要があります。







































