今月から「楽園の海」を担当します津田です、そして案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。よろしくお願いします。
長田勇さん「よろしくお願いします、今回は、ここ最近海の中で見かけた水中生物の食事風景をご覧いただきたいと思います」
「食欲の秋」ではなく「食欲の春」ですね、ではVTRをご覧ください。
長田勇さん「まずは群れで食事をするお魚、死滅してしまったサンゴ礁を300匹ほどの群れで移動しているのはクロハギ、死んだサンゴには藻がつくんですが、それを食べているようです。なぜか『少し食べたらすぐ移動』を繰り返して食べています。魚って、食事をする時が一番無防備になるので、敵から身を守る為には良い方法なのかもしれませんね。

これだけの数が移動しながらというのは、なかなかの迫力ですね。
長田勇さん「続いても群れです、ゴンズイの群れ、ナマズの仲間です。胸ビレと背ビレに毒があるので、外敵からの防御としては完璧なはずですが、やはり、群れで移動しながら食事しています。8本の髭が印象的、この髭、実は凄いんです。ニオイを感じる嗅覚、味覚、聴覚、振動の感知能力、その全てを備えている優れもの。砂の中にいる小動物を食べているようでした」

長田勇さん「こちらの魚はヒメジの仲間、ヨメヒメジ。ゴンズイと同じようなヒゲがあります、本数は2本と少ないですが、触鬚(しょくしゅ)と呼ばれている髭を砂の中に突っ込んで餌を探します」

触るだけで食べられるものかどうか確かめられる器官、食事をするために特化したヒゲなんです。魚の種類は違っても、同じような器官を使って餌を探して食べるんですね。何かエサを見つけたようです、モグモグしています」
便利なヒゲのおかげですね。あ、色鮮やかな魚がいます。
長田勇さん「はい、こちらは豪快な食事をする魚、ツユベラ。口を使って小石をどかしながら獲物を探します。自分と同じくらいの重さの石も、この通り。ひっくり返すことが出来るんですよ。石の裏に隠れている小さなエビなどを好みとしているようです。
すごい、力持ちですね。

長田勇さん「隣のオジサンは、おこぼれ頂戴ですかね『石をひっくり返したの俺だぞ!』って、怒られませんように」
長田勇さん「さてここからは、甲殻類の食事風景を紹介します。まずは、アカホシカニダマシ。扇子のような形のもの、羽毛状になっている顎脚(がっきゃく)を使ってプランクトンを捕まえます」「この時は珍しく泥を口に運んでいました、何を食べているんだろうと確認したいのですが、泥を丸ごと口の中へ入れている感じなんです」「明らかに食べられない赤い棒のようなものは、吐き出していました。一旦全部口に入れてから要らないものを出していく、という食べ方なんですね」

おいしいところだけ選んで食べているんですね。
長田勇さん「こちらは白化して死んでしまったサンゴの隙間にいる赤いカニ。普段は生きているサンゴのポリプをつまんで食べているんですが、サンゴが死んでしまっているため何を食べるんだろうと見ていると、自分のハサミに生えている毛に引っかかったプランクトンをハサミでつまんで食べていました」

早めに生きたサンゴへ引っ越ししないと餌が足りなくなりそうで少し心配ですね。
長田勇さん「今頃は引っ越ししているといいですね。さてこちらは偶然食べ物にありつけたヤドカリ、食べているのは魚の死骸のようです。身の部分はほとんど無くなっていましたが、皮についている少量の身でも普段ありつけないようなご馳走なのかもしれません」

これでしばらくは食事に困らなさそうですね。あ、カクレクマノミですね!
長田勇さん「はい、最初はカクレクマノミを撮影しようとしていたんですが、周りを徘徊するメギスの姿がありました。何を狙っているんだろう?と、しばらく観察していると、なんと!イソギンチャクの真ん中部分を突っつきました!そこは、イソギンチャクの口に当たる所、獲物を食べたばかりだったのかもしれません。イソギンチャクはクマノミ以外の魚が触れると死んでしまう可能性のある毒を持っています。スローで見てみると、体、一瞬触れていますよね。大丈夫だったんでしょうか?」

食事も命懸けなんですね。
長田勇さん「こちらは、ある意味衝撃的な食事シーンです。ダイオウサンゴが食べようとしているのはなんと!プラスチックゴミ。捕まえてはみたものの、消化しきれないんでしょうね。このシーンは、撮影してて、ちょっと心苦しかったです。海に限らずですが、ゴミを捨ててはいけないと、強く思いました」

早く吐き出して、元の状態に戻って欲しいですね。
長田勇さん「はい、そう願いましょう。最後は、華麗に食事する生き物。真っ赤なサンゴのポリプに囲まれた場所に住み着いたゴカイの仲間、触手を出してプランクトンを捕まえようとしています。かなり小さなゴカイ、一生懸命、そして少し捻りながら手を伸ばしている感じに見えます。触手の出し方が美しいな?と思いながら撮影していました」

キレイですね、なんだか応援したくなるような食事シーンですね頑張れ!
長田勇さん「水中生物にも様々な食事の仕方があるんだな~と、感心することばかりでした」
これだけの食事シーン、豊かな海の証拠ですね。今回もステキな映像をありがとうございました。以上「楽園の海」でした。






































