特集です。宜野湾市の保育園の屋上で、アメリカ軍ヘリの部品が見つかってから8年が経ちました。当時、子どもを園に通わせていた保護者らが団体をつくり、軍機の学校上空の飛行禁止などの要請を行っています。そのメンバーが、先週、上京して改めて、国などに要請しました。
#コドソラ 与那城千恵美さん「生まれてきた地域がただ沖縄だったというだけで、こういう環境で生きてないといけないのかな、うちの子どもたちはって、悲しいです」
届かない声に悔しさをにじませます。与那城千恵美さんは宜野湾市で子どもたちの安全な空を求めて、アメリカ軍機の学校上空の飛行禁止を訴え続けています。
きっかけとなったのは2017年。与那城さんの子どもが通っていた緑ヶ丘保育園の屋根からアメリカ軍のヘリの部品が見つかったことでした。さらにその5日後、普天間基地所属のヘリから重さ7.7キロの窓が普天間第二小学校の校庭に落下しました。
「子どもたちを守らないと」
「もし誰かに当たっていたら」と衝撃を受けた与那城さんは同じ園の保護者らとともに「チーム緑ヶ丘」を作り、国に要請を始めます。しかし、状況が変わらないまま子どもの卒園が近くなった2021年、今後も安全な空を求めるために「#コドソラ」を結成し、要請活動を続けています。
いまも住宅地や学校上空を飛ぶアメリカ軍機。普天間基地周辺の2地点では先月、1日100回以上の騒音が5回も確認されるなどし、住民生活や子どもたちの学校生活などに影響がでています。
日に日に悪化する子どもたちの空、与那城さんはことしも政府要請をすることを決めます。
今回は人体への有毒性が指摘されている有機フッ素化合物PFASが、県内の水道水の取水源などから検出された問題の解決を訴える「宜野湾美ら水会」と「PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会」といっしょに行くことになりました。
宜野湾美ら水会 町田直美さん「子どもたちのこういう状況を放っておくこと事態が、大人の責任としてどうなんですかと、私自身も含めて、一歩でも二歩でも早急に前進させたい」
#コドソラ 与那城千恵美さん「国がしっかりと動いてくれて私たちの活動が終わって、私たちが子どもたちと過ごす時間がとれるようになればいいなと願っています」
メンバーらは先週東京で、政府関係者を訪ねて現状を訴えました。防衛省や外務省の担当者とも対面し、直接改善を求めます。
#コドソラ 与那城千恵美さん「防衛省さんは把握しているじゃないですか、飛んでいることを、普天間第二小学校の上も、緑ヶ丘保育園の上も、それを申し入れているだけですか?米軍にこんなことありましたよ、飛行ルート外れてますよ言っただけ?」
防衛省 担当者「正直言うと申し入れているだけ」
#コドソラ 与名城千恵美さん「だからどんどんひどくなるんじゃないですか?」「じゃあ沖縄の子どもたちはあのままでいいんですか?窓が落ちているんですよ、たまたま当たっていないだけで」「できる限り我々としてももうこの先一生ずっと1回も飛んでほしくはないんですね、小学校の上を、危ないことからも、やめてほしいと思いますが、どうしてもこういった形で出てくるという事実があるっていうのはひとつご理解いただきたいかなとは思っています」「何を理解すればいいんですか?」
アメリカ軍機が決まったルートを外れ、学校の上を飛んでいて不安なことや騒音で子どもの勉強もままならないことなどを伝えます。また、浄水場のPFAS除去費用や基地への立ち入り調査など、およそ4万筆の署名とともに国に求めます。
宜野湾美ら水会 町田直美さん「子どもの命と日米同盟どちらが大事かという問題です、騒音の話もさっきもひどい状態と言っていましたけど、なぜ騒音がこわいかというと落ちたからです。落ちるということは命がなくなるということなので、落ちないという保証はありますか?」
外務省 担当者「もちろん政府ですので政府の役割というのは国民の生命と財産を守ることそして国土を守ることというのが、政府の当然の役割かと思います」
およそ1時間半の話し合いも、国は具体的な回答を出しませんでした。ただ その後、初めて外務副大臣と防衛副大臣に直接会うことができました。
宮﨑政久防衛副大臣「みなさんがいろいろきょう、これまでにわたってお話いただいていることについてはそういう立場(自身も沖縄出身で沖縄で生活している)があるがゆえに真摯に受け止めているということはご理解いただきたいと思います」
冒頭以外非公開の要請で、これまでの状況を伝えますが…
#コドソラ 与那城千恵美さん「もう失望しかないですね、事務方も副大臣も国会答弁をしている大臣もみんな同じことしか言わない、アメリカに配慮したことしか言わない、子供たちを守ってくれないんだから、もうどんなしたらいいですかね」
部品が見つかってから8年。子どもたちの頭上をいまもアメリカ軍機が飛び続けています。「子どもたちの安全な環境」を求める市民の声は届かないままです。
同行取材をした濱元記者です。
今回、7回目の要請行動でしたが、国に声が届いてる感じはありました?
濱元記者「はい、与那城さんらは、子どもたちや周りの人の命を守りたいと声をあげていて、アメリカ軍機の事故やPFAS問題が解決しないからこそ、これまで何度も政府に要請を行っています。その内容も、学校や保育園の上で米軍機を飛ばさないでほしいということやPFAS汚染源の特定のための基地の中の調査などで、安心安全に暮らすために求めるのは、当然です」
濱元記者「しかし、要請の際に、防衛省の担当者が「アメリカ軍の運用と市民生活のバランスが大事」と述べる場面もありましたが、住民へ大きな負担を強いている現状で、はたしてバランスがとれているのか疑問です。日本・アメリカにとって必要な基地を沖縄においているからこそ、住民の声を真摯に受け止め、問題解決を図る姿勢が国に求められていると思います」
ここまで、濱元記者でした。











































