東京・赤坂で起きたサウナ店火災。異変に気付いてもらおうとタオルを燃やした可能性があることが分かりました。
■サウナストーンでタオル発火か
松田政也さん(36)は複数の美容室を経営していました。
松田政也さんの知人
「本当にサウナが好きで。何か迷った時とかに手を差し伸べてアドバイスをくれた。すごくリスペクトできる存在でした」
赤坂の高級個室サウナ店「SAUNATIGER」で発生した火事。客の松田さんと妻の陽子さんが亡くなりました。
2人はサウナ室の中、入り口付近で倒れていましたが、そもそもなぜ室内で出火したのでしょうか。
社会部 警視庁担当 山本光悦記者
「捜査関係者によると、『室内のタオルがサウナストーンに触れ、発火したか』。2人が誤ってタオルを燃やしてしまった可能性もありますが、サウナ室に閉じ込められた2人が異変に気付いてもらおうと、意図的にタオルを燃やしたとも考えられると話しています」
2人が倒れていたサウナ室の扉には「木製の取っ手」が付いていました。
消防が駆け付けた時、内側と外側ともに外れて落ちていたそうですが、その後の捜査関係者への取材で、他の個室の扉でも取っ手を動かす際に“ガタつき”があったことが分かりました。
店のホームページなどによりますと、SAUNATIGERは2022年8月にオープン。5階建てのビルにサウナを備えた個室が5つ入っています。
さらに、サウナ室の中にある非常用のボタン。
火事があった個室では亡くなった2人が押そうとした形跡はあるものの作動していなかったとみられ、従業員が異変に気付いたのはサウナ室の外にある煙を感知する機械が鳴ったからでした。
捜査関係者によりますと、今月16日の現場検証の際、店の事務室にある受信盤の電源が入っていなかったということです。
つまり、火事が起きた時もすべての個室の非常ボタンが作動しない状態だった可能性があります。
なぜ、電源が入っていなかったのか。多くのサウナを作ってきた会社に聞いてみると…。
サウナ施工メーカー アクアエンタープライズ 重隆文代表
「非常用押しボタンは通常、めったに押されるものではないので、何らかの原因で電源を切っていたか、漏電で(受信盤の)ブレーカーが落ちたか。それに気付かなかったなど。(スタッフが)常日頃、警報(受信)盤のスイッチがオンになっているか確認して業務をやっているかという問題」
外れた取っ手に、作動しなかったとみられる非常ボタン。17日も警視庁による現場検証が行われていますが、今後、捜査はどのように進むのでしょうか。
社会部 警視庁担当 山本光悦記者
「警視庁は火災当時、建物の設備に異常があったのかを慎重に調べています。従業員が日頃から建物の設備をどのように管理していたかなど聞き取りを進めるなどして会社の責任の有無を調べていく方針です」
そして、司法解剖の結果が判明しましたが、亡くなった2人の死因は不詳だということです。
警視庁は今後、出火した時間などを捜査し、死因の特定を進めるとしています。







































