どうなる“高市発言”ホンネ解説 中国“本気度”は?日本の対応は

どうなる“高市発言”ホンネ解説 中国“本気度”は?日本の対応は

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 高市総理の答弁に対する中国政府の反発が日に日に激しくなっています。日中の本気度、両国が思い描く落としどころについて冨坂中国総局長、千々岩官邸キャップの解説です。

 (Q.高市総理の答弁から1週間以上が経ちましたが、中国側の本気度はどれぐらいのものなんでしょうか?)
 中国側の本気度はかなり高いと思われます。外務省の会見で、今週末のG20で李強首相と高市総理が会うのかと問われた中国外務省の報道官は「会うつもりはない」と明言しました。

 実は7日の高市総理の発言直後には中国側は日本の様子を見極めていて、9日には北京で日中友好イベントも普通に開かれていました。

 ただ、日本に反省、撤回の様子がみられないということで上層部が週末に判断し、一気に攻勢をかけると決定したとみられます。

 中国としてはさらなる対抗措置もちらつかせつつ、高市政権の出方を見る形でボールは日本側にあるといえます。

 (Q.中国側はさらなる対抗措置もというような話がありましたが、日本政府はどう対応していくのでしょうか?)
 中国の大阪総領事館のイベントが広島で開催されて、薛剣総領事が出席の予定でしたが、先方の都合で急きょ中止となりました。もう一つ、中国・江蘇省徐州市の代表団が16日から来日して友好都市の愛知県半田市などを訪問する予定でしたが、こちらも先方の都合で急きょ延期となっていたということです。

 高市総理の側近は「中国の温度感が異常なぐらい上がっている」と危機感を示しています。「高市総理も中国と事を構えたいわけではない」と話していて、冷静に沈静化に向けて対処しようというのが、高市総理に近い関係者の最大公約数です。

 (Q.鎮静化に向けて具体的にはどう日本は動いていくのでしょうか?)
 日本側のポイントは2点です。一つは発言の撤回はしないこと。もう一つは高市政権のスタンスというのはこれまでの政権と何も変わらないということを中国側に説明をする、そして建設的な関係を構築する考えを伝えるということになります。

 ただ、対中外交に携わってきた外務省の幹部は、関係改善には年単位の時間がかかる可能性もあると分析しています。

 まずは18日の外務省局長同士の協議で互いの本音を探ることになります。

 (Q.中国側は落としどころをどう見ているのでしょうか?)
 台湾問題は中国にとっては「核心利益中の核心」と言っていますので、統一に向けた雑音をなんとか取り除きたい、そのために高市政権には発言の撤回や反省を求め続けるとみられます。

 今回、旅行や留学の自粛といった措置は中国の人にも影響が出る措置ですが、自国民への影響について問われた中国外務省の報道官は正面から答えず、「高市総理は誤った言動を正すべきだ」とのみ答えました。

 日中双方ともに表立って折れることが難しいなかで、裏のパイプなども総動員して何とか落としどころを見つけられるかが焦点といえます。

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