中国“訪日自粛”呼びかけの影響は?緊張高まり過去には中国から“電凸”迷惑行為も

中国“訪日自粛”呼びかけの影響は?緊張高まり過去には中国から“電凸”迷惑行為も

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突然の発表でした。中国外務省が、日本への渡航をしばらくは避けるよう、中国国民に呼びかけました。中国からの訪日客数が、コロナ前の水準に戻りつつある中、波紋が拡がっています。(11月15日OA「サタデーステーション」)

■突然の“渡航自粛” 日本への影響は?

報告・矢谷一樹ディレクター
「紅葉がライトアップされており、観光客で賑わいを見せています」

山梨県の富士河口湖町で見ごろを迎えている紅葉。例年、中国人観光客もよく訪れるといいますが、中国側の突然の発表により、影響が懸念される事態となっています。

中国外務省のSNS
「日本では社会の治安が不安定となり、中国人を標的とした犯罪が多発しています」

中国国民へ向け、日本への渡航を控えるよう呼び掛ける通知。これは、高市総理の台湾有事に関する国会答弁への報復措置とみられます。

北京市民
「日本が干渉しすぎだと思います」
「台湾問題は揺るぎないもので、両岸統一は必然の流れです」
「私はあまり過剰に反応する必要はないと思います」

日本政府は15日、中国側に申し入れを行い、適切な対応を強く求めました。

木原 官房長官
「日本側の認識とは相いれず、首脳間で確認した戦略的互恵関係の推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性とも相いれるものではありません」

中国からの観光客
「私は日本は安全だと思います。(通達は)無視する、無視。国と国とのことは政治家に任せればいいです」
「今後日本に来ないとは思いません」
「今のところ(治安を)心配する場面はありません。出会った人は、みなフレンドリーです」

訪日中国人の数は、2019年に過去最多となる約959万人を記録しましたが、その後、コロナ禍で激減。しかし、今年は9月時点ですでに750万人に迫っていて、過去最多を更新するペースで増え続けています。現在は訪日外国人のうち、2割以上が中国から、という状態です。

北河口湖観光協会 大町悦章さん
「過去に尖閣問題で渡航禁止が出て、その時は中国系の客をメインにやっていたところは、軒並み客が減って大変そうだったんですけれども、日本人でも海外の人でも、ルールとマナーを守ってくれるお客さんでしたら、ぜひ来ていただきたい」

報告・尾崎文康 記者
「日本への渡航自粛が突然呼びかけられたことで、中国人旅行者の間からは戸惑いの声も上がっています」

中国・上海の空港でこれから日本に旅行に行く人たちは…

東京・大阪へ旅行
「チケットを購入していたので仕方がないです。夜は外出せず、早くホテルに戻るよう気を付けようと思います」

中国の大手航空会社3社は15日、日本行きの航空券について、無料でキャルセル可能にすることを発表しました。

■過去には緊張高まり“迷惑行為”多発

2年前、福島第一原発の処理水放出をめぐり、中国が日本の水産物の輸入を禁止した際には、日中間の緊張が高まり、中国からの“迷惑行為”が横行しました。

中国国内から日本への迷惑電話
「こんにちは、あなたたちはどのように過ごしていますか?あなたたちは昨日、汚染水を飲みましたか?おいしかったですか?まだ健在ですか?」

日本の飲食店やホテルなどの電話番号を調べて迷惑電話をかける、いわゆる「電凸(でんとつ)動画」の投稿が中国各地で相次ぎました。

中国国内から日本への迷惑電話
「私たちは富士山の爆発を期待して、あなたたちがそれと一緒に存亡することを望みます。さようなら、二度とお目にかかれません」

中国のSNSは、中国政府を批判したり、犯罪行為を助長するような動画は削除されるほか、デマを広げた場合は処罰の対象になります。しかし、中国政府は実質的に迷惑動画の投稿を放置。

中国国内から日本への迷惑電話
「核水の排出を…禁止しろ」
Qもう一度うかがってもよろしいですか?
「こんにちは。核水の排出を…禁止しろ」
Qタクシー?の配車?

わざわざ日本に来て、「核汚水の排出に反対」と書き込む中国人もいました。一方で、中国国内では中国産の海産物が売れなくなるという、風評被害の“ブーメラン現象”も起きました。

中国の市場関係者
「“核汚染水”を出したからです。海鮮は上司や親戚などに贈るけど、『“核汚染水”は健康を損なうじゃないか』と」

中国政府が、処理水を“核汚染水”と呼び、日本批判を続けた結果、中国の消費者が海産物全体を敬遠。中国の漁業関係者が苦しむ事態となりました。そして現在、再び高まっている日中間の緊張。

木原 官房長官
「政府としては引き続き状況を注視し、適切な対応をとってまいります」

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