リュウキュウの自然 特別編「慶良間三島めぐり(4)希少な生きものたち」

リュウキュウの自然 特別編「慶良間三島めぐり(4)希少な生きものたち」

25 回視聴・3 時間前

琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄さんです。

湊 和雄さん「宜しくお願いします」

水曜日にお届けしてきた特別編「慶良間三島めぐり」最終回のテーマは「希少な生きものたち」です。

湊 和雄さん「慶良間3島スペシャル。最終回4回目の今週も国指定天然記念物が登場します。しかし、この天然記念物も、決して珍しい存在ではありません。そして最後に天然記念物ではないけれど、なかなか出遭えない生物を紹介します」

一体何が出てくるのでしょうか、VTRご覧ください!!

リュウキュウの自然 特別編「慶良間三島めぐり(4)希少な生きものたち」

湊 和雄さん「ケラマブルーのビーチも陽が沈むと、地味な海になりますね。その海岸線に何か蠢くものが無数にいます。昼間には見られない光景です。これがその正体。オカヤドカリです。国の天然記念物に指定されています。オカヤドカリは1種類ではありません。国内に7種が生息しています。そのすべてが天然記念物なのです。基本的には夜行性で、夜になると海岸林から出てきます。特に6?8月の大潮の晩に集団で行動します」

湊 和雄さん「ここには、何故か一箇所に集まっていますね。そして盛んに何かしています」

何をしているんでしょうか?

湊 和雄さん「これは打ち上げられた魚の死骸に集まって食べているシーンです。オカヤドカリは雑食性で動物の死骸もアダンなど植物の実なども食べます。しかし、これがこの時期の夜に行動する目的ではありません。このオカヤドカリは波打ち際に向かって歩いていきます。そして押し寄せる波に洗われても気にしませんね。ところが、オカヤドカリはヤドカリと違って、長時間水中にいられません。死んでしまうのです」

では何故わざわざ波打ち際にやって来るのでしょうか?

リュウキュウの自然 特別編「慶良間三島めぐり(4)希少な生きものたち」

湊 和雄さん「これがその目的です。波に洗われた瞬間、殻から胴体を抜き差しして、殻の中の腹部にある卵を海水中に放つのです。その卵は海水に触れた途端、孵ってゾエアという幼生になります。この幼生の時期だけ水中生活を送ります。しかし、波に拐われてしまうこともあって、この行動は命がけなのです」

湊 和雄さん「オカヤドカリは1970年に小笠原諸島で減少したために国の天然記念物に指定されました。そして1972年に沖縄が本土復帰したときに、沖縄のオカヤドカリたちも国指定天然記念物になりました。しかし、ご存知のとおり、ウジャウジャいて釣りの餌にもされている存在で全く珍しくありませんね」

リュウキュウの自然 特別編「慶良間三島めぐり(4)希少な生きものたち」

湊 和雄さん「こちらはアサトカラスヤンマの雌。沖縄本島のカラスヤンマの亜種にあたり、渡嘉敷島と阿嘉島だけに生息していますが、特にこの阿嘉島産はなかなか遭遇することが出来ない幻の存在です。このときも15分近くこのように飛び回っていましたが、結局とまることはありませんでした」

湊 和雄さん「4回にわたって紹介してきました慶良間3島巡り如何でしたか?」

湊さんと一緒に旅をしている気持ちになれました。

湊 和雄さん「今回の3島巡りでは、ケラマジカなど天然記念物を考える機会にもなりました」

湊さん今回も貴重な映像有難うございました以上、リュウキュウの自然でした。