「介護疲れとは一線を画す」。老老介護の末、102歳の母親を殺害した罪に問われている裁判で、検察側は娘に懲役8年を求刑しました。
■71歳娘に懲役8年求刑
検察側
「実の娘によって殺害されたことによる実母の衝撃・無念は察するに余りある」
102歳の母親を殺害した罪に問われている小峰陽子被告。11日の裁判では手錠と腰縄を解いた瞬間、ひざの力が抜けたように転び掛け、警察官が支える場面もありました。
71歳という高齢での老老介護、注目は「情状酌量」の余地があるかどうか。
検察側は介護による負担を認めながら…。
検察側
「頻繁にトイレに行きたがるようになったのは事件の1週間ほど前から。母親が暴言や暴力をふるうことはなく、介護疲れによる事案とは一線を画する」
検察側は、ひもで首を絞めたうえ、包丁で首を刺す残忍な犯行だったことや週1回の訪問看護などのほか、ケアマネージャーが適切な対応をしていたことを挙げ、同情できる点は少ないとして懲役8年を求刑しました。
一方、弁護側は…。
弁護側
「フクさんは頑固な性格で施設への入居はしない、初めは介護サービスもいらないという様子だった。認知症の症状もあり、ごはんを食べた後にごはんはまだかというような状態だった」
また、ケアマネージャーが「陽子さんが行き詰まっている」「心配だ」などと記録していたことを挙げ、「長期にわたる介護で疲弊し、冷静な判断ができなかった」として懲役3年、執行猶予5年が相当だと主張しました。
介護施設への入居が決まっていた母親。前回の被告人質問で裁判長から「母が入所見込みだったのに殺害したのはなぜか」と問われると…。
小峰陽子被告
「これで預けることができるんだと思っていたのに、次の日に殺さなきゃいけないと思った理由は今も分からない。娘に殺されるという乱暴な死に方をさせてしまい申し訳なかった」
と、反省の言葉を口にする一方、「あの時は、ああするしかなかったので後悔はありません」と話しています。
11日、小峰被告は裁判長から「述べておきたいことはありますか」と聞かれると、「今述べておきたいことはありません」と話しました。
判決は17日に言い渡されます。







































