66 回視聴・5 時間前
名古屋刑務所に服役していた男性受刑者が亡くなったのは、適切な医療を受けられなかったからなどとして、遺族らが国に賠償を求めた裁判で、東京地裁はおよそ30万円の賠償を命じました。
2022年に名古屋刑務所に服役していた男性受刑者(当時71)が亡くなったことを巡り、遺族らが、刑務所側が適切な医療を受けさせなかったほか、職員から暴言を吐かれていたなどとして、国に対しおよそ4000万円の賠償を求めて、裁判を起こしていました。
20日の判決で東京地裁は男性受刑者への医療措置について、「一般の病院や診療所に求められる医療水準に照らして適切さを欠くものではなかった」と指摘しました。
一方で、「男性受刑者の指印を不正に使用したり、暴言や不適切な発言をしたことは人格権を違法に侵害するもの」として、国に対しおよそ30万円の賠償を命じました。
判決の後、遺族側の代理人弁護士が会見し、「暴言は違法行為としたが、きちんとした医療をしなかったことは免責とした裁判所の判断に絶望する」と話しました。
また遺族の1人は代理人弁護士を通じて、「受刑者を人間扱いしておらず、到底納得できるものではありません」とのコメントを出しました。
判決を受けて名古屋刑務所は「判決内容を精査し、関係機関と協議したうえで、適切に対応して参りたい」としています。