政界に衝撃が走った自公の分裂。自民党政権の継続か、野党を中心とした政権交代か。各党の駆け引きが激しくなっています。
■連立解消に自民・野村元農水大臣 恨み節
自民党 森山裕前幹事長
「今回、残念な結果になっていること、極めて遺憾なことだと思っておりますが連立ができなくても重要な法案については予算については、最低でも(公明党との)連携ができる努力はそれぞれの立場で続けていかなければいけないのではないか」
自民党の森山前幹事長は、公明党とこの先も連携を模索するべきだと語りました。大臣経験者からは新執行部への恨み節も…。
自民党 野村哲郎元農水大臣
「高市さんでよかったのかと今、悔やまれてなりません。今回の公明党の離脱についても高市さんに対するアレルギーがあったのではないかと思っています」
■公明党 野党間協議に参加へ
その公明党に関して、野党の国会対策協議に参加する見通しになったと、11日、立憲民主党の野田佳彦代表が民放の番組で明らかにしました。
一方で、斉藤鉄夫代表は11日配信されたYouTubeの番組で自民党と再び連立を組む可能性については、高市早苗総裁の次の総理指名選挙になるとの考えを示しました。
自公連立が“崩壊”したことで混沌(こんとん)としているのが20日以降に召集される国会での総理指名選挙の行方です。
■次の総理誰に?野党一本化は?
自民党の高市総裁か。はたまた野党の誰かか。名前が取りざたされるのが国民民主党の玉木雄一郎代表です。
国民民主党 玉木代表
「私は国民民主党の、公党の代表として、内閣総理大臣を務める覚悟は、いつでもあります」
演説で堂々と総理になる意欲を示した玉木代表。野党第一党の立憲民主党からは以前から統一候補としてラブコールを送られています。
立憲民主党 安住淳幹事長
「我が党も野田にはこだわりません。玉木さんも有力候補と考えますということは申し上げました」
野党結集が実現すれば政権交代も現実味を帯びますが、国民民主は立憲と組めるのでしょうか。
政治ジャーナリスト 青山和弘氏
「全く組めないとは思いません。ただ簡単には組めないと思います。特に安全保障の政策とエネルギーの政策です。そこで合意できないと組めないと言っていますので、そこのハードルはやっぱり私は高いと思います」
玉木代表も現段階では否定的です。
「まだ現在の立憲民主党とは組めません。基本政策が違いますからね。特に安全保障に関して、考え方が異なると政権は担えないし、担うべきではないと思います」
ただ、国民民主にラブコールを送っているのは野党だけではありません。総裁選直後には自民党の高市総裁と玉木代表が極秘会談。これが公明党の逆鱗(げきりん)に触れたと言われています。
では、自民党と組む可能性はあるのでしょうか。
青山氏
「この段階ではもうないと思います。今、自民党と国民民主党組んでも与党で過半数になりませんので国民民主党は組む理由がもうないのですね」
国民民主党 玉木代表
「現時点においては(総理指名選挙の)1回目も2回目も玉木雄一郎と書くのが基本」
野党の一本化が難航すれば、衆議院で一番多い196議席を持つ自民党の高市総裁が総理に指名される可能性が高い状況です。政権交代をもくろむ野党のカギを握るのは…。
青山氏
「結局、野党側がどういう座組みか別として結束できるかが焦点です。特に第一党の立憲民主党が鍵を握るということは間違いない」
その立憲はさまざまな策を練っているようです。
青山氏
「幹事長の安住さんは『自民党を割ることはできないのか』と、実は周囲に話している。これも簡単じゃないけれども、そういうことは『絶対ない』と言えないのでこれから水面下での動きが激しくなるということです」
(「グッド!モーニング」2025年10月12日放送分より)