たどる記憶つなぐ平和#16「西表島・船浮要塞」

たどる記憶つなぐ平和#16「西表島・船浮要塞」

戦後80年の節目に戦争について考えるシリーズ「たどる記憶・つなぐ平和」です。沖縄戦史の中で西表島の戦争被害については「鉄の暴風」といわれた or 激しい地上戦を経験した本島などと比べて、然程大きなものであったとは考えられていません。
しかし西表島、船浮集落に今でも残る戦争遺跡は軍が駐留することによる住民との関係など、とても大切なことを伝えてくれています。
鉄田義司「船は船浮に入港した。初めて見る南国の風景、それは珍しいの一言に尽きる。甲板を離れることも忘れて眺め入った。人影のない緑の静かな絵の島に、我々は上陸して、この島を守ることになるのであった」
1941(昭和16)年、この地に着任した陸軍少尉鉄田 義司(てつだ・よしつぐ)が残した日記です。
西表島の西の端「奥西表」とも称される船浮。人口わずか50人たらず(2025年4月現在46人)、船でしか訪れることのできない風光明媚な地域です。ここには80年前、旧日本軍が要塞を築き駐留していました。