沖縄と自衛隊(10)/戦時遭難船舶と国民保護/有事の避難と国の責任は?

沖縄と自衛隊(10)/戦時遭難船舶と国民保護/有事の避難と国の責任は?

政府が南西シフトとして進める自衛隊配備や、有事の問題などを考える「沖縄と自衛隊」です。今回は太平洋戦争でアメリカ軍などに撃沈された民間の船「戦時遭難船舶」を通して、有事の住民避難について考えてみます。
戦時遭難船舶の遺族は、台湾有事を念頭に先島地域からの住民避難が語られている状況に危機感を募らせています。
大城敬人さん「どんなに船でですね、避難しようといったって、ミサイルの攻撃に遭えば、避難なりの話じゃなくて、ほとんど海で犠牲になってしまう」
こう語るのは、名護市に住む大城敬人さん(82)。太平洋戦争下の1943年12月、アメリカ軍に撃沈された定期船「湖南丸」に乗っていたおじを亡くしています。
那覇から鹿児島に向かっていた「湖南丸」。遺族会が戦後に発行した資料には、数少ない生存者の証言が残されていました。