沖縄と自衛隊(17) 一発の銃弾で戦争に? 沖縄上空の領空侵犯事件 自衛隊の「武器使用」の意味とは

沖縄と自衛隊(17) 一発の銃弾で戦争に? 沖縄上空の領空侵犯事件 自衛隊の「武器使用」の意味とは

政府が南西シフトとして進める自衛隊配備や、有事の問題などを考える「沖縄と自衛隊」です。きょうは、いまから36年前、沖縄上空で起きた緊迫の事態について取り上げます。
1987年、旧ソ連軍の航空機が沖縄本島上空に侵入し、那覇基地を発進した自衛隊機が警告射撃を行っています。航空自衛隊で初となった警告射撃を、当時の自衛隊幹部は武力衝突に発展する危惧を抱えながら見つめていました。今も那覇基地からは、沖縄周辺に近づく中国機の対応のため、自衛隊機が飛び立ち続けている中で武器を使うことの意味について、考えたいと思います。
F15戦闘機およそ40機が所属する、航空自衛隊那覇基地。民間機が離発着する那覇空港と、滑走路を共有しています。防衛省が発表した、領空に近づく航空機に対応する緊急発進・スクランブル回数は、今年3月までの1年間で、778回。東西冷戦下に近い水準で推移しています。およそ74%が中国機で、地域別で分けると、那覇基地の戦闘機が対応した数は、全体のおよそ6割を占めます。
沖縄の空の玄関口と同居する那覇基地は、中国機対応のための大きな「要」になりつつあります。
林吉永氏「対領空侵犯措置がきっかけで、戦争が起きるということを、この新聞を見て誰がどれだけ考えたか。非常に危なっかしい」