六諭衍義とは

『六諭衍義』は16世紀後半に中国浙江省会稽(かいけい)の范鋐(はんこう)という人が書いたもので、人が人として身につけなければならない6つの教え(六諭)が記された書物です。

「孝順父母、尊敬長上、和睦郷里、教訓子孫、各安生理、毋作非為」の6つの教え(六諭)を解説するとともに、エピソードや律令(法律)の条文、関連する詩などを交えて説き、「六諭」をわかりやすく人々に伝えるために書かれています。

この『六諭衍義』を琉球に紹介したのが名護親方(中国名・程順則)です。

若い頃、中国に渡った際、師事していた先生の家で『六諭衍義』と出会い、4度目の中国訪問の時、自費で印刷して琉球に持ち帰りました。

それが江戸時代、薩摩藩の島津氏を通じて江戸の徳川吉宗将軍に献上され、和訳された後、寺子屋の教科書として使われ始め、明治時代中期まで修身の教科書として使われ、その教えが広まりました。

 

孝順父母(父母に孝行し、いいつけを守りなさい)
尊敬長上(年上の人を尊敬しなさい)
和睦郷里(郷里と和睦しなさい)
教訓子孫(子弟を教え導きなさい)
各安生理(自分の運命に従いなさい)
毋作非為(悪いことをしてはいけない)