逆走車が車に衝突する瞬間の映像。さらに運転手の男はフラフラと歩き、倒れます。一体、何が起きたのか、被害に遭った女性が当時の様子を語りました。
■“飲酒逆走”3台衝突 被害者語る
事故の瞬間を映した映像には片側1車線の国道を走る黒い車。すると、逆走した軽自動車が黒い車に衝突。その衝撃でタイヤが外れているのが見えます。軽自動車からは煙が上がります。衝撃音が大きかったのか、建物から出てくる人も…。
不可解な点は、この事故の後の映像。後続車の人々が様子をうかがうも姿を見せない運転手。ようやく降りてきた白い上着の60歳の男は、しばらくうなだれます。歩こうとすると足元はふらつき、立っていることもできずに転がり落ちます。
軽自動車を運転していた60歳の男は酒酔い運転の疑いで逮捕されました。
実は、この直前にも事故を起こしていました。
最初に衝突された人
「どんどんぶつかっていく光景が異常で恐怖」
事故が起きたのは8日。広島県を走る片側1車線の国道。制限速度は60キロ。この道を60歳無職の男が運転する車が逆走し、3台と衝突しました。
1台目に衝突された女性に話を聞きました。
最初に衝突された人
「(車を)追い越して運転してきたように見えて、ギリギリ左に寄ろうとしてかわしたが、反対車線までオーバーしてきてぶつかった」
問題は、この事故の“後”です。
最初に衝突された人
「全く止まらずに、減速しているように見えなかった。2台目の車にぶつかって見えなくなった」
別の防犯カメラには間一髪で軽自動車を回避する様子も映っていました。
その後、3台目の車にぶつかり、ようやく止まった軽自動車。被害者の同僚によりますと、運転手の様子は明らかにおかしかったそうです。
最初に衝突された人
「(同僚が)『大丈夫ですか』と声を掛けて、『大丈夫。すみません』と返事が返ってきたのは聞いた。意識はもうろうとして、焦点が合ってない様子だったのでおかしいなと。酒の臭いがしていたので、おかしいと思ったと言っていた」
専門家はタイヤが外れたことに注目します。
交通事故鑑定ラプター 中島博史所長
「タイヤが最初に衝突するのはめったにないので、タイヤの部分はそれほど極端な強度があるわけではない。タイヤが逆走車の進行するエネルギーを丸々受け止める形になってしまった。(車体とタイヤをつなぐ)サスペンションアームが折れて取れた。逆走車の方に関しては時速70キロぐらい出ているので、一般道での法定最高速度は60キロ。それは明確に超えている」
この事故で2人がけがをしました。
男は「間違いありません」と容疑を認めていて、警察は容疑を「危険運転致傷」に切り替えて捜査しています。










