ここからは、気象予報士カワベさんのおもしろ自然教室です。河辺さん宜しくお願いします。

河辺気象予報士「宜しくお願いします。」

今日は、桜について調べて来られたんですね…。

河辺気象予報士「そうなんです…。もう春はすぐそこですからね。まず、沖縄の桜って、あの有名な「ソメイヨシノ(染井吉野)」ではなくて、「緋寒桜」だということは良いですよね。」

「寒緋桜」とも言われるんですよね。

河辺「そうですね。「彼岸桜」と混同されない様に、最近はわざと言い換えていますね。そして桜は、一度しっかりと寒くなることが、開花に向けたスイッチになるから、沖縄では北から先に桜が咲き始めると良く言いますよね。」

確かに言いますね。

河辺気象予報士「まずはこの寒さのスイッチから調べてみました。」

おもしろ自然教室 桜と気温の「ビミョー」な関係

河辺気象予報士「こちらは那覇市の末吉公園。沖縄気象台が、毎年「開花宣言」と「満開宣言」を出すのは、こちらの「標本木」を見て、宣言を発表しています。何もこの木が沖縄の桜を代表できる「標準」という訳ではないのですが、あくまで「一、標本」として長年見られているんです。とある一本の桜がずっと見られて、記録が付いているのは数少ない非常に重要な木となります。今回の調査は、この1本の桜と、那覇市の気象台の気温などとの関係です。」

河辺気象予報士「まずは、「寒くなることと、「開花日」との関係」です。調査対象は、昨シーズンまでのここ10年の「開花宣言」の日。どこまで寒くなれば桜は「開花」に向けての準備を始めるのか。ここ10年の「開花宣言」の日は…。」

河辺気象予報士「昨年までの10年の平均が、1月12日。一番早いシーズンでは、前年の12月28日に開花で、平均からは15日早く、一番遅いシーズンでは、1月22日で平均の10日後ろ。端から端までは25日ものズレがありますが、8割のシーズンで、平均の前後8日の中に入ります。例えば、気温が、そのシーズンで「初めて15℃を下回った寒い日」を探してみました。2011年の場合、前の年の12月10日。そこから「開花宣言」までは、28日掛かりました。」

河辺気象予報士「10年間の平均では、初めて15℃を下回ってからか「開花宣言」まで「33日」ですが、ブレ幅としては、10日ぐらい頻繁にずれます。3割ずれるということです。冷え込みを、「初めて16℃を下回った日」としてみたり、「17℃」にしてみたりと、少しずつ ずらして調査しました。どうやら、「初めて18℃を下回った日」あたりが、ブレ幅も、日数の割合も小さめで良さそうです。」

一度気温が18℃まで下がったら、その50日ぐらい後に桜が咲くっていうことですか?

河辺気象予報士「そう言うことですね。ですので、前後の、「19℃」とか「17℃」まで下がった日ともミックスして予測したら、ブレ幅をもう少し小さくできて、開花の頃を、およそ2か月前に予測でることになります。」

河辺気象予報士「沖縄の場合、「寒さ」っていう言葉よりも、「いつ夏が終わって」、「いつ秋らしくなるか」、と言った方が当てはまりますね。

河辺気象予報士「さて、問題は「満開」の日です。」

私の予測だと、あとは暖かくなればどんどん咲いていくんじゃないんですか?

河辺気象予報士「でしょ?私もてっきりそうなんだろうと思ってたんです。ところが、気温との関係調べたらね、全然違う結果が出てくるんですよ!カメの調査の時に「積算気温」ってご紹介したの、皆さん覚えてますかね?毎日の気温を足しこんで行くんですよ。染井吉野なんてまさしくそれで、2月1日からの積算気温が400℃で桜が丁度咲くんですよ。東京では、ほんの2、3日しかブレがないぐらいの高い精度なんです。まずこの手法の調査したらね、全く逆の結果が出てくるんですよ。」

河辺気象予報士「で、ちょっとずついろいろ変えて調べたんですけど……日照時間とかも……それでも良い結果が出てこないもんだから、実は今週の頭には、もう「満開と気温や天気は関係がありません」って発表しようと思ってたんです。」

でも過去形で言ってるから、何かわかったんですね?

河辺気象予報士「そう。遂にわかりました。沖縄の桜には「好きな温度」がある様なんです。もっと言うと「嫌いな温度」もある様ですよ。一覧で出すとこちらです!」

河辺気象予報士「開花の調査の時は気温の下がりが注目だったので「最低気温」を見てましたが、今度の調査は「平均気温」で見てます。ここです!」

おもしろ自然教室 桜と気温の「ビミョー」な関係

14℃台、15℃台?

河辺気象予報士「そう!どうやら沖縄の桜は「寒いのが好きなんです!」平均で14、5℃っていったら、最低気温は10℃に近い様なかなり寒い日です。ホントにホントの滅多にない寒さは好きじゃないみたいですけど、寒~い日はかなり好きみたいです。その時に満開に向かってます。」

河辺気象予報士「でも、暖かい日は嫌いで、成長が止まるどころか、進まなくなる様なんですよ。」

じゃ、寒い日が沢山あれば早く満開になるんですね?

河辺気象予報士「そこ、すごく大事なところなんですが、せっかく寒い日が多くなっても、暖かい日が多くなると、成長が逆戻りしてしまうぐらいだと、思った方が良さそうなんです。寒い日が多くても、暖かい日が多いと、なかなか満開まで行かないんですよ!」

河辺気象予報士「なので、「寒い日が多くて」、「暖かい日が少ない」!これが満開が早まる、重要なポイントです。今回の調査は、一言で言うと、「沖縄の桜の花は、『お寒いのがお好き♥』」ということがわかりました。」

おもしろ自然教室 桜と気温の「ビミョー」な関係

そうなんですかぁ。私、家の近くに桜があるので気を付けて見てみます。で、今日は15℃ぐらいですよね…今年の「満開」はいつ頃になりそうですか?

河辺気象予報士「そう。今日が寒いでしょ。明日も少し寒くて、これで桜が元気になりますので、この日曜日か、月曜日には、「満開宣言」となっても良いんじゃないかと考えてます。」

わかりました。以上、気象予報士の河辺さんでした。