教員採用試験などへの口利き疑惑で辞職した安慶田元副知事。辞職後初めて開いた会見では、自らの疑いを否定するとともに、告発文書を公表した前の教育長を刑事告訴すると強い口調で語りました。事態は元副知事と、前教育長の間で泥沼化の様相を呈しています。

安慶田元副知事は「私が副知事を務めている間に、教員や学校事務職員の採用に関し、前教育長にこのような働きかけをした事実は一切ございません。このような作り話によって名誉を侵害され、耐え難い苦痛を与えられたことから、このたび、前教育長を名誉棄損罪で刑事告発することとし、昨日那覇地検に告訴状を提出致しました」と話しました。

23日に辞職して以降、口を閉ざしてきた安慶田元副知事。26日の会見で改めて、教員や学校事務職員の採用試験で特定の人物の合格を働きかけた事実は一切ないと主張しました。

しかし、これまでの説明とは食い違う説明もありました。20日、辞職前の会見で、記者からの「相手が誤解をした余地があったか」との質問に対し、安慶田元副知事は「私は一貫して否定しております」と話しました。しかしその後、諸見里前教育長が、安慶田元副知事から以前、教育庁幹部の人事について、具体的な「指示」があったこと、それを断ったところ「激しく恫喝されたこと」などを書面で告白したのです。

安慶田元副知事は「私はこのように声も大きく、言葉遣い一つとっても、細かな表現が得意なタイプではございません。そのため職員らとのやり取りにおいて、もしかしたら相手を怖がらせてしまったことがあったかもしれません。ある校長先生を那覇教育事務所長にという話があり、これを前教育長に伝えた記憶はわずかながらございます」と話していました。

一方、安慶田元副知事から刑事告訴された諸見里前教育長も本当に心外だと憤りをあらわにしています。諸見里前教育長は「嘘偽りなく、全てを白状した。(安慶田元副知事が)自分の否を認めないのは残念。こうなったら逃げるわけにはいかない。正面から受けて立つ」とコメントしています。事態は泥沼化の様相を呈しています。



取材に当たっている久田記者です。きょうの会見のポイントを教えて下さい。

久田記者「これまでの『全面否定』から『一部誤解があった』という風に説明が変わってきています。安慶田元副知事はきょうの会見で『ある小学校の校長を那覇教育事務所長にしてほしい』と口頭で伝えた記憶があると述べました。ただこれは『指示』ではなく『要望があったから伝えただけ』だと釈明しました。

県のナンバー2が、教育長を呼び出して人事の問題について意見を述べたことが指示にあたらないという説明には無理があると感じますよ。

久田記者「きょうの会見では、こうしたことが日常化していたのではないかと思われるような発言もありました」

安慶田元副知事「当時の私のところに、教育庁における人事について、推薦・要望や意見が持ち込まれたことはありました。毎回ではありませんが、責任者である前教育長にお会いをし、そういう推薦や要望があったことを口頭で伝えておりました」

副知事の権力に、様々な立場の人たちがすり寄ってきていたのではと思われる発言です。

久田記者「安慶田元副知事自身が、前教育長に人事の要望を伝えていたのは今回に限ったことではないと認めているわけです。伝えただけで指示ではない、と言われても県民がこの説明に納得するかは非常に疑問です。特に辺野古問題で政府との交渉を担ってきた側近中の側近とされた人物が起こした事態は、翁長県政にとって大きなダメージだと思われます」

翁長知事「なにも1週間も2週間もという話ではありませんので、明日にでもゆっくり、しっかりと検証しないと」

久田記者「翁長知事は先ほどこのようにコメントしていて、調査を急ぐ考えですが、安慶田元副知事自身は、前教育長を刑事告訴したことなどを理由に『今後は捜査機関と裁判所にいてのみお話をさせて頂く』と述べていて、今後再び口を閉ざすのではないかとも見られています」

久田記者「一方野党自民党などは、強い調査権限を持つ百条委員会の設置も視野に入れ、徹底追及する構えで、翁長知事にとっては頭の痛い問題です」