QABからのメッセージ

まだ君たちが幼かった頃、親や兄弟と一緒に見たテレビの中で…、あるいは、歓声とため息が交差する熱気あふれる球場で見た“夏の高校球児”の姿は、やがて君たちの憧れとなり、夢となりました。そして“甲子園”という言葉を胸に、辛い練習を仲間とともに乗り越え、白球を追い続け、ついに迎えるはずだった“最後の夏”が…消えました。

「戦後初。1918年の米騒動と1941年の第二次世界大戦の戦争悪化による過去2度の中止に続き、79年ぶり大会史上3度目の中止」などと、マスコミが歴史に残る重大な出来事として世間に伝えたとしても“夏が消えた”君たちにとっては、何の慰めの言葉にもならないことを知っています。

「甲子園」という大きな夢を、新型コロナによって奪われた君たちの怒りと悲しみは、君たちにしか分からないでしょう。

そんな君たちのために“かつて少年だった”僕ら大人は何ができるのだろうか…。中止の発表から、一生懸命、考えました。そして、高校球児の最後の夏のドラマを20年に近くにわたり追いかけた、僕ら「めざせ甲子園!」が君たちにできること。それは、今年も「めざせ甲子園!」を放送することだと思いました。それが最大級のエールになると信じ、今年も放送します。

しかし、もう“めざす”甲子園はありません…。

それでも番組が「甲子園」という言葉を掲げるのは、新型コロナによって大会は中止になったけれども、君たちがこれまで“甲子園”を胸に抱き、努力した結果や、流した汗と涙、そして“最後の夏”に成長した姿まで、奪い去ることができないと信じているからです。

「ピラミッドは頂上から作られはしない」とある作家は言いました。これまでの努力は、必ず立派な土台となっています。僕らは「めざせ甲子園!」を通し、君たちや君たちを支える人たちが、今年の“てっぺん”をめざす姿を全力で伝えていきます。

デスク 棚原勝也

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