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11月の県知事選挙の告示までちょうど1カ月となりました。現職の仲井眞知事と、保革相乗りの翁長那覇市長、それに下地元郵政担当大臣と民主党県連の喜納代表らが出馬を表明し、混戦模様となっています。各陣営の動きを追いました。

翁長那覇市長「一身上の都合により、平成26年10月3日限りで退職したい旨、申し出ます」

きのう那覇市議会議長に辞職届を提出した翁長那覇市長。今月3日には市長を辞職し、県知事選挙に向け、本格的な選挙活動をスタートさせます。今月26日には、市長選に、翁長那覇市長の後継者として、市の教育長などを歴任した城間副市長が出馬を表明。

城間副市長「私は今日まで市職員とともに翁長市長の考え方を耳で心で聞いてまいりました。風格ある県都・那覇市のまちづくりに、市民の皆様と共に、心をひとつにして歩んでまいりたいと固く決意しているところであります」

翁長市政の継承を訴え、翁長市長と一体となった選挙戦を展開する方針です。自身は保守であるとしながらも、辺野古への基地建設反対を前面に押し出す翁長市長。「イデオロギーよりアイデンティティ」と、党派を超えて支持を訴えています。おとといは、名護市に入り、北部の支持者らを前に、新都心地区や北谷町の例を挙げ、「基地は沖縄の経済振興の阻害要因」と位置づけ新たな基地建設反対を強く訴えました。

翁長那覇市長「辺野古がどうなるかというと国有地になるので、50年後100年後この基地は帰ってきません。恐ろしい問題をはらんでいますので、私たちはこれについて断じてノーということを突きつけていかなければならない」

一方、すでに全県的な支部立ち上げを先行させている現職の仲井眞知事。同じ日のおととい、名護入りし、自民党の議員や条件付きで移設を容認している辺野古区民などを前に、支持を訴えました。

仲井眞知事「辺野古の地域の皆様にはまたご苦労をおかけします。(大丈夫!)ありがとうございます。私も一生懸命仕事をしてまいりたいと思いますのでどうか、もう一回私を当選させてくださいね」

一方、県議会の代表質問では、自身が埋立を承認した辺野古への基地建設を改めて容認する姿勢を示しました。

仲井眞知事「現行計画は具体的に動き出しており、現時点では具体的かつ現実的な解決策と考えている」

「普天間基地の一日も早い危険性の除去のため」と県知事選挙の公約に「普天間基地問題を先送りすることなく断固たる決意も持って解決に取り組む」といった文言を盛り込む考えを示しました。また、知事選とセットで臨む那覇市長選挙では、公明党との選挙協力も見据え、自民党県連が翁長政俊副会長の擁立を決めましたが、翁長副会長はこれを固辞しました。

翁長政俊副会長「那覇市長選に出る環境が整っていないということで今回は辞退をしたい」

県連では、党本部などとも調整していますが、候補者選びは難航しています。一方、下地幹郎元郵政民営化担当大臣は、一足早く政策を発表し、辺野古への基地建設については、「県民投票」の実施を訴えています。

下地幹郎元郵政民営化担当大臣「賛成か反対か。このことを辺野古において決めてもらって、この辺野古に反対ならば、私どもは即時中止、撤回を政府と交渉していきたい。みなさんが賛成という結論に至ったならば、この問題を知事が先頭になって進めていく」

下地さんは、このほか、「教育費の無料化」や「県民所得倍増」など主張の柱に掲げ、先島を含め県内13カ所に「未来会」と銘打った支部を立ち上げ、無所属で政党の枠にとらわれない選挙戦を先行させています。また民主党県連の喜納代表は、辺野古への基地建設を巡り埋立の「承認撤回」を掲げる候補者が必要と訴え、今月24日に出馬を表明。

喜納昌吉代表「3人の候補者をずっと眺めていたんですが、辺野古撤回というのをはっきり明確に提言される方がいないのが、私を今の場所に座らせております」

しかし、民主党県連の最大の支持母体である連合沖縄がすでに翁長那覇市長の支持を決めているほか、民主党党本部も県連に対して自主投票を促し、従わない場合は、除籍処分を検討するとしています。辺野古への基地建設や去年12月の知事の埋立の是非を最大の争点に、混戦模様となる見通しの今回の知事選挙。

正念場を迎えている辺野古、そして保革の対立を超えた枠組みでの闘いとなる今回の知事選は歴史的な選挙と言えそうです。