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こんばんは、スポーツお伝えします。まずはきのう行われたボクシングの試合からです。会場が闘牛場というユニークな大会でもあったのですが、その出場選手の中に、以前QABでも紹介した、このリングが新たなスタートとなるボクサーがいました。

己の拳にすべてをかけて戦うボクシング。うるま市の闘牛場で行われたこともあって注目されたきのうの大会。そこに、再出発を誓ってこのリングにあがったあるプロボクサーがいました。

試合3日前、最終調整に汗を流していた仲里健太。10月に県外で行われたプロデビュー戦を初勝利で飾りましたが、初めて地元沖縄でできる今回の試合が、仲里にとってもう1つのデビュー戦です。

そんな仲里にはこの試合を特に見せたい恩師がいました。

仲里選手「これは本当に宝物ですね。先生からもらった」

宝物だと語る手紙。その送り先の住所は沖縄市山内1-13-1。そこは沖縄少年院があった場所。

仲里は中学時代、非行に走り、恐喝や暴走行為を繰り返し2度少年院に入りました。その仲里に手紙を送り続けていたのが中学時代に生徒指導を担当しずっと見放さずそばにいてくれた喜久川洋さんでした

仲里選手「人には変わる時機というのがあって、自分は今そういう時なんだなって。その時初めて深く実感しましたね」

更生しようと決心した仲里。元ヘビー級世界チャンピオン、マイク・タイソンが少年院出身であることを知りボクシングの道を志しました。

仲里選手「これからは先生が喜ぶ姿を見たいですね。今と昔とでは心を入れ替えている姿を見せるだけですね。」

迎えた大会当日、会場には喜久川さんも応援に駆け付けました。その喜久川さんのもとへ仲里は試合の入場券とともに手紙を送っていました。

そこには「先生がいたから自分がいる」という感謝の思いや「チャンピオンになる」という大きな目標がつづられていました。

喜久川洋さん「絶対チャンピオンになりますとか言ってはいますけど、まだ早いよと、まず1戦1戦だとこの野郎と。(手紙を見て)ちょっとジーンと来ましたよやっぱり。」

感謝の思いと、再出発への覚悟を持って上がったリング。仲里は第1ラウンドから積極的に拳を出していきます。

優位に始まった試合。ところがカウンター待ちの相手選手に決定打を打つことができずにいると、次第に攻められる時間帯が増えていきます。

仲里選手「3R目くらいから焦ってましたね。練習していたボクシングが全然できなかった。」

迎えた最終第4ラウンド。判定での決着も見えてきた残り10秒でした。

苦しい展開にも逃げなかった12分間。戦う姿を見せ続けた再出発のリングとなりました。

仲里選手「今後は1つ1つ勝つ姿だけを見せていきます。必死さを見せていきます。」

喜久川洋さん「スタートラインですよねまだね。始まったばかりですので、本当に逃げずにしっかり壁を乗り越えていってください。」