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年に一度、渡嘉敷島で行われる綱曳き行事。「カシチー」。豊年を占うめでたい綱曳き行事なんですが、勝敗を巡っては、集落の東と西が駆け引きなしの真剣勝負で行われます。密着しました!

渡嘉敷島は那覇から西へ32キロ。「ケラマブルー」と呼ばれるどこまでも青い空、青い海。2014年、慶良間諸島は31番目の国立公園に指定されました。

新里さん「もうワクワクどころの騒ぎじゃないですよ。チムどんどんですよ」

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

旧暦6月25日に行われるカシチーは300年もの歴史を持つ、時空を超えた豊年を祝う祭り。命あふれるケラマの四季、きょうは渡嘉敷島のカシチー・大綱曳きの模様をお伝えします。

観光客で賑わう島の海岸から離れた一角。区民総出でカシチーの準備が始まります。山深く水が豊かな島では、古くから稲作が行われてきました。豊穣に感謝する祭りの大綱は、島で取れた藁だけをなうきまりです。

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新里さん「最近は地元でとれて地元で綱作るっていうのは、そうないんじゃないですか」

綱をなうのは追い込み漁の名人・新里さん。御年82歳です

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

新里さん「日ごろは東西関係なく平等だけど、綱曳きになると、完全に北と南に別れてやるんですよ。この日だけはじぇったい心が、友達ももう関係ないぐらいの争いになるんですよ、真剣勝負ですね。もうけんかするくらいですよ」

どうやらこの日だけは東の集落と西の集落の真剣勝負のようです。綱は東と西に分かれて作られ、勝負の時に初めてつながれます。約800m離れた西の綱作りの場所にもお邪魔してみましょう。

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

「(Q:どっちが勝ちそうですか?)そらもう西でしょうね」

年配の方や女性たちが藁から綱をない、子どもたちがそれを運び男性たちが大綱を束ねて行く一連はまさに伝承の行事です。

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

座間味さん「こちらは朝からつな作りをして、その日の夕方に1回勝負というすごいハードスケジュールだけど、それをみんな一生懸命、それぞれ東西でそれそれの思いでみんな負けないように、がんばって」

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

一方、東の地区ではいよいよ大綱が完成が近づいてきました。早朝から始まった綱づくり。現在の時刻は午後4時半です。

東西両方の旗頭が集落を周り、カシキーの始まりを告げます。

旗頭を担う與那嶺さんの娘は4人兄弟の末っ子、くるみちゃん。

くるみちゃん「(Q:くるみちゃんから見てどうでした?)(お父さんは)かっこよかった!」

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小さなこどもから島の長老までが協力して作り上げる300年の歴史を誇るカシチー。いよいよ6時半の開始に向けて、綱が東西から集まります。

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

いつもは優しい島人たちの顔は真剣勝負です。カヌチ棒が差し込まれると区長の合図で勝負開始です。

Qプラスリポート 渡嘉敷島の「カシチー」 真剣勝負の綱曳き

東が勝つと豊漁、西が勝つと豊作といわれるカシチー。

西チーム「綱曳きはどっちが勝っても同じ。フィフティーフィフティー、イヌサーサーっていうのよ」

負けた西のみなさんは残念そうですが、笑顔は輝いています。

一方勝った東の新里さんは嬉しそうなお顔です。

新里さん「『ぜひ勝つように』って、頭の中、これ思いながら綱作ったんですよ。やっぱりかなった!よかった、これ負けていたら負けて悔しい花いちもんめみたいになってた」

勝っても負けてもイヌサーサー。最後は東も西も笑顔いっぱいのカチャーシーです。これが300年の伝統です。

與那嶺「ぼくも旗頭やったりだとか、綱作ったりという姿を見せて、子どもたちに郷土愛が生まれればなと思ってます」

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