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自然豊かなケラマ諸島。国立公園にも指定されました。1年を通して四季折々の表情を見せてくれる場所です。その島で伝統の神事が行われた、旧暦の3月3日の1日を追いました

Qプラスリポート ケラマの四季 座間味島の旧暦行事

座間味は、那覇から西へ40キロ。「慶良間ブルー」と呼ばれるどこまでも青い空、青い海。2014年、慶良間諸島は31番目の国立公園に指定されます。

ウミガメが悠々と泳ぐ透き通った海。日本のサンゴのおよそ6割、250種ものサンゴとそこにすむ生物たち。座間味の海は、生命あふれる海です。

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冬、この海の主役はザトウクジラ。この海で子どもを生み、育てます。ここは、クジラたちの故郷。

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初夏、満月の夜、海がピンク色に染まります。サンゴの産卵です。生まれたばかりのサンゴが潮に乗り、各地へ広がっていくのです。満月の夜の神秘。

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自然溢れる座間味は神々の島でもあります。旧暦3月3日に行われる大昔から伝わる座間味の神事。生命あふれるケラマの四季。きょうは座間味島、旧暦3月3日の模様をお伝えします。

旧暦3月3日。浜下りの日。島ではシーミーと三月三日の行事が同時に行われるため、故郷に向かう船には人々が大勢乗り込みます。

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島で宿を営む浜田さんはこの日、娘のひとみさんと三月御重(サンガチウジュー)作りで大忙し。宿を継ぐ孫娘は島へ戻り、今年、久しぶりの参加です。

上原梨乃さん「やっぱりすごい行事ですよね。これとかもおばあちゃんから習って、私とかでできるようにしたいです」

午前中は島人総出でシーミー。よく晴れた太陽のもと祖先に手を合わせます。

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島で唯一のスーパーもお弁当屋さんも商店もすべて午後からはお休み。これも島ならではの光景です。

周囲23キロの座間味島は祈りの島。無数のお宮が点在します。

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この歌は御嶽登りという神事の中で歌われた祈りの歌。1976年、特別に許可され、録音された貴重な音源で、家族の無病息災や五穀豊穣を祈ります。

午後1時。浜田さんは家族と共に嘉比島へ。浜田家の娘・ひとみさんのご主人が操船する第5えびす丸は父の代から引き継いだ由緒ある船。この島に祈りを捧げることを受け継いだ浜田さんは、嘉比島に今日の日を祝う旗を立て、浜の拝所にお重を備えます。

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浜田サチ子さん「(Q:何を祈る?)そうですね健康。いつも感謝。食べ物に感謝」

琉球王国時代から続いてきた神事。今、各地で後継者不足が問題となっていますが、座間味島では今に続いています。

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梨乃さん・ひとみさん「大変そうだけどやらないといけないかな、という感じで」「そうですよ!代々つないでいかなきゃね」

午後4時。神事のクライマックスが始まります。

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3つの島からそれぞれの神がひとつの海域を目指して集まる「流れ舟」。海上では太鼓や三線が打ち鳴らされ船団が作られます。そして海上では神を乗せた三艘の船が互いに連結して舟を走らせる「走い並び」が始まります。

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走い並びで神人たちは互いに酌を取り交わし、海の幸を祈ります。

いよいよ座間味の港へ。神を乗せた3艘の舟と後に続く30以上の舟が座間味の港を回り、人々と賑やかに歌と踊りと太鼓を交わします。

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座間味に伝わる大昔からの神事流り舟走い並び。夕方から夜にかけては、島のお宮では厳かに流れ舟の無事終了が報告されました。

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ケラマの島々に残る遥か昔からの神事。島ではきょうも人々の健やかな健康と五穀豊穣の祈りが続けられています。