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こちらは、ウルワシ・ブタリアさんといってインドを代表する作家であり女性活動家です。彼女が書いたこちらの本「沈黙の向こう側」は、世界的なベストセラーにもなっています。女性の視点からイギリス植民地独立の裏側で起こった大量の性暴力と人権迫害に迫りました。

「沖縄の女性たちに起こった暴力の歴史を知り、ともに学びたい」とやってきたウルワシさん。彼女が見て感じた沖縄とは…。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

高里鈴代さん「基地がこうしてできると、この周辺ではものすごい性暴力があったの。かつての新聞をあけると、小学生とか中学生とかが実際に性被害にあったって出てくるんです」

軍隊による女性への性暴力の事件を掘り起こしている高里鈴代さんから説明を受けているのは、インドの女性活動家ウルワシ・ブタリアさんです。ウルワシさんは、沖縄の女性たちが受けた暴力の歴史について知りともに学びあいたいと沖縄にやってきました。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

ウルワシさん「軍の規律として、地元の女性には手を出すなとか規律みたいなものは持っているのか?」

アメリカ軍の占領下で起きた性暴力事件で被害者が訴えても加害者であるアメリカ兵が処罰されることがほとんどなかったこと、戦後も続く性被害の状況について熱心に聞いていました。

ウルワシさん「世界のどこの場所でも同じようなことが起きている。そういう悲惨な、悲しいことが起きているというのは、実際に軍隊がいるところで起きている」

また、先日小学校のグラウンドでアメリカ軍のヘリコプターの窓が落下した事故の現場では、日米のはざまに置かれている沖縄の現状を目の当たりににしていました。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

ウルワシさん「住民にとって厳しい状況ですね。私の住むところがこういう状況だったら非常に怒る」

3日間の日程で沖縄を視察したウルワシさん。オスプレイ反対集会や辺野古の新基地建設が行われている現場を訪ね、これ以上の基地を作ってほしくないと声を上げ続ける沖縄の人の心に寄り添っていました。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

ウルワシさん「ここに見える海全部が埋め立てるの?きれいだよね。すごく情けない気持ち。ここを埋め立てたら、美しい自然を全て失ってしまうんでしょ」

抵抗すること抗議することは重要なことだと訴えるウルワシさん。インドの北東部のマニプールという州ででインド軍の兵士により、20代女性をレイプし殺害する事件が起こたときの住民の抗議活動を紹介してくれました。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

ウルワシさん「インドの軍隊は多大な権力を与えられていて、犯罪を犯したときにも彼らがすぐに罰せられるというような枠組みにはなっていませんでした。そして、何人かの女性たちがこれは抗議すべきだ、そしてその女性たちというのは70歳から75歳までの年配の女性たちでした」

抗議のプランを立てた12人の年配の女性たちは、一斉に洋服を脱ぎ裸になり、司令部に向かって言いました。

『ここにわたしたちがいるからレイプしたいんだろ』『そんなにレイプしたいならここに来い』

ウルワシさん「それがインド中をニュースとなって駆け巡り、国際的なニュースでも報じられました。結果、インドの軍は、この司令部から撤退して他の場所に行くことを強いられることになりました」

女性たちの抗議は、兵士たちに恥じる気持ちを知らせるためのメッセージだと振り返りました。

女性作家 ウルワシさんが見た「沖縄」

ウルワシさん「今後も私の活動の中で、沖縄が直面している基地問題やアイデンティティーについて書いていこうと思います。今月末には、カルカッタで講義がありますのでそこで、沖縄のことを話すつもりです」

ウルワシさんは、性被害について話すのは難しいかもしれないけれども声を上げることで社会は変わる。被害者に寄り添いながら声を上げ続けていこうと語っていました。