2017年12月1日 18時40分

うるま市女性殺害事件に無期判決

事件から1年7カ月。求刑通りの判決です。

うるま市の女性殺害事件で、那覇地裁は元アメリカ海兵隊員の男に無期懲役の判決を言い渡しました。

2016年4月、うるま市で当時20歳の女性を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元アメリカ海兵隊員のケネス・シンザト被告(33)は、裁判で、「殺すつもりはなかった」などとして、殺意については否認していました。

うるま市女性殺害事件に無期判決

1日の判決で那覇地裁は、「ナイフで首を刺した」などとする当初の自白は信用できるとして殺人罪の成立を認めた上で、「成人式を終えたばかりで命を奪われた被害者の無念は計り知れない」などとして、求刑通り、無期懲役の判決を言い渡しました。

沼尻アナウンサー「スタジオには、事件の取材に当たった上間記者に入ってもらいます。上間さん、きょうのケネス被告はどんな様子だったのでしょうか」

上間記者「はい。判決が言い渡されたときに、ケネス被告は口を結び、少しうつむき加減で判決を聞いていました。被害者の母親は、タオルで口を押えながら、被告を見つめていました」

金城アナウンサー「まず、事件の経過を振り返ります」

うるま市女性殺害事件に無期判決

「殺すつもりはありませんでしたし、殺してもいません。」

初公判、白い半そでのTシャツ姿で入廷したケネス被告は、起訴内容についてこのように主張しました。去年4月20歳の女性が殺害され、恩納村の雑木林に遺棄された事件。

元アメリカ海兵隊員のケネスシンザト被告(33)が乱暴目的で暴行し、死亡させたなど3つの罪に問われています。

裁判で争点となったのが「殺意の有無」

うるま市女性殺害事件に無期判決

検察側は被告が女性の頭を棒で殴り両手を使って首を絞め、そしてナイフで首の後ろを刺したと主張。その一連の行為から殺意が認められるとしました。

一方弁護側は被告は現場で首を刺しておらず、草むらに倒れた時に頭を強く打ち死亡した可能性があるとして殺意はなかったと主張しました。2日目には解剖医が法廷に立ち、被害者の遺体から死因の特定は出来なかったと証言。

弁護側が主張している草むらで頭を打ち死亡した可能性については、「やわらかい場所で転倒し死亡するということは考えにくい」と述べました。

そして、裁判には被害者の遺族が参加、父親は「極刑を望みます」と意見を述べました。

うるま市女性殺害事件に無期判決

3回目の裁判。検察側は「自己中心的で極めて残酷な犯行であり、矯正は極めて困難」として無期懲役を求刑しました。

一方弁護側は、暴行は女性を乱暴するための手段であり、死亡するとは考えていなかったとして「無期懲役はふさわしくない」としました。

初公判から黙秘を貫いてきたケネス被告。裁判の終盤「私は本来悪い人間ではありません。こうなってしまったのは私が意図したことではありません。」と口を開いたものの、最後まで事件の中身について語ることはありませんでした。

沼尻アナウンサー「事件から裁判まで、実に1年7カ月という長い時間がかかりました。きょうの判決は求刑通り、無期懲役でしたね」

上間記者「はい。今回の争点は「殺意の有無」でした。検察側は、被告が逮捕当初に供述していた内容が信用できるとして、「殺人罪が成立する」と主張していました。裁判長は今回はほとんど検察側の主張を認める形となりました」

上間記者「一方、弁護側が主張していた女性が草むらで頭を打って死亡した可能性があるとした点は、「逮捕当初はそのような話をしておらず、後付けが濃厚で信用できない」と退けています」

金城アナウンサー「では、判決に対する反応です」

男性「納得いかないですね絶対許せない。罪重くしたほうがいいです僕はそう思う」

女性「私は第三者として死刑を軽く言える立場ではないけれど遺族の立場になるとやるせないと思う」

女性「亡くなられた子の親御さんたちのことを考えたらね死刑というのは当然だと思うんですよ」

遺体が見つかった現場では花を手向ける人々の姿があった。

訪れた男性「自分初公判の日もちょっと来たんですけど彼女にやっぱり判決の報告をしにきました。被告にはその中で生きて償ってほしいと思っています」

うるま市女性殺害事件に無期判決

琉球大学法科大学院 矢野恵美教授「今回検察側はそもそも殺意があるということで無期懲役求刑していたわけです。殺意のない強姦致死でも最高刑が無機系ではありますので無期刑を課することはできるが通常の同種の犯罪からしますと今回は非常に重い判決だったと思っています」

高江洲歳満弁護士「本人は殺人はしていないと言っているのでその主張は通りませんでしたからたぶん落胆しているはずです。一応裁判所は黙秘についてとくに被告人に不利に取り扱ったという判決ではなかったように私は理解しています」

沼尻アナウンサー「各地様々な受け止めですが、被害者の遺族は、極刑、つまり死刑を求めていましたよね。

上間記者「はい。今回裁判長はその点についても触れました。「被害者に何の落ち度もなく、残された両親が極刑を求めることは当然である」とし、罪を犯した刑事責任は誠に重大であるとしました。無期懲役より軽い刑を科す理由はない。と今回の判決に至った理由を話しました。

うるま市女性殺害事件に無期判決

上間記者「そして、裁判終了後、被害者の父親は被告が退廷するまで、被告を見続け、母親は、声をあげて泣き崩れていました。県民に大きな衝撃を与えた事件でしたし、多くの県民がきょうの判決に注目していたと思います。判決が出ても、被害者・遺族の悲しみはいつまでも続いていくということを改めて感じました」

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