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2016年4月、うるま市で当時20歳の女性を殺害したとして、殺人などの罪に問われている元アメリカ海兵隊員の男の裁判で、検察側は無期懲役を求刑しました。

元アメリカ海兵隊員のケネス・シンザト被告(33)は、当時20歳の女性を乱暴目的で死亡させたなど3つの罪に問われていて、殺意については否認しています2。

ケネス被告に無期懲役を求刑

4日の裁判で、検察側は「計画的で、自己中心的な極めて残酷な犯行であり、自身の性的欲望を制御できず、矯正は極めて困難」だとして無期懲役を求刑。

これに対し弁護側は被告の目的は女性を乱暴することであり、殺意はなかったとし、「無期懲役はふさわしくない」と主張しました。

ここからは上間記者です。上間さん、きょうの法廷での被告の様子はどうでしたか。

上間記者「はい。被告は検察側の主張を、同時通訳を介して聞いていたのですが、検察側の無期懲役の求刑に対してもほとんど表情を変えることはありませんでした」

検察側は、改めてきょうの裁判での双方の主張は何だったのでしょうか。

上間記者「はい、まず検察側ですが、逮捕当初、「被告が暴行現場で女性の首を両手で絞め、ナイフで首の後ろあたりを刺した」などと供述したことについて、信用性があると主張」

上間記者「一方で起訴から10カ月経った後に出された供述書にそのことが記載されておらず、「女性が後頭部を地面にたたきつけた」という新たな内容が出てきていることは、不自然であり信用できないとしています。その上で、死亡する危険性が極めて高いと分かりながらこのような行為に及んだことは明らかだとして「殺人罪が成立する」と主張しました」

ケネス被告に無期懲役を求刑

上間記者「「また、被害者遺族の処罰感情が極めて厳しいことや、通り魔的な犯行だったことなどを考慮し、無期懲役を求刑しました。対して弁護側は、逮捕当初の供述については「被告が動揺・混乱している中、限られた時間内での取り調べだった」として高い証拠価値を与えることは無理だと対立」

上間記者「殺意についても暴行の目的は、女性を乱暴するための手段であり、頭を殴ったり、首を絞めたりして女性が死亡するとは考えていなかったとして「無期懲役はふさわしくない」と主張しました。また、被告がアメリカ軍人だったことなどを忘れて、日本人の同様な事件の判決と同じ、公平で公正な判決をしてほしいと述べていました」

なるほど。ところで被告は当初から黙秘権を行使し、事件について話していませんでしたが、きょうは口を開いたそうですね。

上間記者「はい。最後、裁判長が被告に「述べたいことがあるか」と訪ねると、「私は本来悪い人間ではありません。こういうことになってしまったのは私が意図したことではありませんでした」と発言しました。また、遺族の弁護人も法廷に立ち、「被告は捜査途中から自らの罪を軽くするための保身に終始し謝罪の態度もない。」として、死刑にしてほしいと遺族の意見を代読しました」

双方の主張や被告の様子などを裁判員や裁判官はどのようにとらえるのでしょうか。注目の判決は来月1日です。

ここまで上間記者でした。