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伊波「楽園の海案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。今日は「今年のサンゴの現状」です」

長田「昨年、沢山のサンゴが白化してしまった石西礁湖ですが、ちょっと心配な情報が入りましたので、潜りに行ってきました」

伊波「今年は、一体どんな状況なのか早速見ていきましょう」

長田「7月中旬に、サンゴを調査している方から、白化の兆候が見られるとの連絡を受けて、石垣島へ向かいました。暑い日が多かったので、心配はしていたんですよ」

伊波「確かに、今年はうだるような暑さが続いていますよね」

長田「そうなんですよね。調査している方と一緒に潜って、付近のサンゴを確認して周りました」

伊波「はい、今年の夏のサンゴはどうなっているんでしょう」

楽園の海 今年のサンゴの現状

長田「こちらは魚もいっぱいいて、元気なサンゴに見えますよね。この日の水温は、水深3.5mで30℃」

伊波「やや高いんじゃないですか?」

長田「そうなんですよね。今年の5月に産卵を撮影したテーブルサンゴは、色が抜けている感じもなく元気そうでした」

楽園の海 今年のサンゴの現状

伊波「テーブルサンゴの端についている、小さなサンゴたちも大丈夫そうですね。こちらのサンゴは、青がキレイなエダサンゴですね」

長田「でも実際の色は、もっと濃い青なんですよ。白化はしていませんが、色が抜け始めている状態です」

伊波「今のところは大丈夫といったところでしょうか?」

長田「そうですね。でも、辺りを見渡すと、先端部分が白くなっているサンゴもありました。」

伊波「こちらのサンゴは?」

長田「キクメイシの仲間なんですが、こちらのサンゴ白化の兆候が現れているのが分かり易いサンゴなんです。この種類のサンゴは、白化の始まりは必ず上の部分から徐々に白くなっていくそうです」

伊波「こちらのサンゴも先端が白くなってきてますね」

楽園の海 今年のサンゴの現状

長田「はい、このトゲサンゴの仲間も、他のサンゴと比べても白化し始めるのが早いと言われています」

伊波「さっきのサンゴもそうですが、今のサンゴも白化し始めていて、今年のサンゴも心配ですね」

長田「でも安心してください。白くなってすぐ死んでしまうのではなく、その状態が2~3週間続くと死んでしまいます」

伊波「では今後、回復の見込みがあるということなんですね」

長田「はい。今回、テーブル状のサンゴには、ほとんど白化の兆候は見られませんでした。このような枝状のサンゴの色が、薄くなってきている感じです」

伊波「まだまだサンゴたちも一生懸命頑張っているんですね」

長田「この取材をしたあとの7月後半と8月前半に台風が接近したので水温が1~2℃まで下がったそうです」

伊波「そうなんですね。少しほっとしました」

楽園の海 今年のサンゴの現状

長田「今後も、天気のいい日が続くと、また水温が上昇してくるでしょうから、気は抜けないですし、心配ではありますね」

伊波「今年は、7月平均の海面水温が30.2度と過去最高ですし、まだ安心できないですよね」

長田「でも、昨年生き残ったサンゴは、かなり強いDNAをもったサンゴたちだと思うので、なんとか今年も頑張って生き延びて欲しいですね」

伊波「そうですね。少しでも水温が下がってサンゴの白化が進まないことを望みます。長田さん、今日もありがとうございます。以上楽園の海でした」