※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

九州沖縄・山口のANN各局で制作したブロック企画テーマは「フレッシュ」です。きょうは沖縄から、幼い頃に抱いた飼育員の夢を叶え、沖縄美ら海水族館にことし入った新人飼育員に密着しました。

日本の最南端にある水族館「沖縄美ら海水族館」。およそ80の水槽で、740種類、2万1000点の生き物が飼育され、神秘的な沖縄の海を感じることができます。

訪れた人「何度来てもすごく幸せな気持ちになっちゃうの」

水族館で働く飼育員はおよそ50人。日々、繊細な命と向き合いながら、水族館を支えています。高野はるかさん23歳。今年4月に水族館に入社したばかりの新人飼育員です。幼い頃に抱いた飼育員への夢をこの春、叶えました。

高野はるかさん「ひとつずついろいろなことができるようになっていきたいと思います」

午前9時すぎ。高野さんの仕事は、毎日、水槽の見回りと掃除から始まります。水槽に異常がないかを確認し、魚の命を守る大切な作業です。

高野はるかさん「ホースで息を吸うと水が吸い上げられて水が通るようになるんですけど(ホースを)離すタイミングをミスして海水を飲んじゃいました」

富山県氷見市出身の高野さん。外で遊ぶのが好きで、幼い頃から生き物に興味がありました。小学生の頃、家族と出かけた地元の水族館で、魚と触れ合う飼育員に心を奪われました。

高野はるかさん「魚と一緒に泳げてキラキラして見えましたね。そこで憧れを持ちました。(飼育員に)なれるんだろうかと思って心の片隅に夢が行ってしまうときもあったんですけどご縁があって働かせてもらってうれしい」

マンタは世界最大級の水族館「美ら海水族館」ならではの人気者。先輩に習って、エサやりに挑戦です。

高野はるかさん「必死でマンタにぶつからないように(エサを入れるのが)精一杯でした。(マンタが)回転していたから上手くいっていたらうれしい」

今は、少しでも時間ができると先輩に声をかけ、疑問をぶつける毎日。「1日でも早く先輩に追いつきたい」。その思いでつい早足に。撮影スタッフも、ついていくのがやっとです。

先輩「本当に真面目でお昼ごはんも本当はみんな1時間あるのに30分ぐらい食べたら事務所に戻って、自分で覚える仕事とかパソコン作業とか、1時間絶対休憩しない」

この日の作業は、熱帯魚へのエサやり。臆病な性格の魚が驚かないように、エサが均等に行き渡るように、意識しながら作業します。

先輩「この種類は卵を持つと口内保育する種類なのでエサを食べないんですよ。調子が悪くて食べないのか卵を守るためなのかで違うので」エサやりが終わると、魚の種類ごとに何のエサを与えたのかを記録。まだ魚の名前を覚えきれていない高野さんにとっては大変な仕事です。

先輩とのやりとり「何をあげたのか覚えていないというのがあったのでメモを取るとか忘れないうちに書くとかやって下さい」高野はるかさん「いち早く魚の名前とか生態とか知っていくことが大切だと思っています」

午前中の作業が終わり、ようやく迎えたお昼。先輩と肩を並べて、お手製の弁当を広げる昼食が、唯一ホッとできる時間です。

先輩「新人で作業も慣れていないことばかりなので先輩に習って頑張ってほしいなと思っています」

高野はるかさん「お客様に見せることを意識して展示の方法とか工夫していけるような飼育員になりたいです。魚の気持ちが分かるようになりたいです」

今は夢のスタートラインに立ったばかり。理想の飼育員を目指してきょうも走ります。