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先月2日、那覇市で生後間もない赤ちゃんが置き去りにされてから一ヶ月あまり。赤ちゃんの親など、未だに手掛かりはありません。一体なぜ、事件は起きてしまったのでしょうか?背景に何があるのか新田記者のリポートです。

新田記者「交通量が多いこちらの少し道路。少し中に入ったこちらのベンチに生後間もない男の子赤ちゃんが置き去りにされていたということです。」

それは先月2日、那覇市泊の路上で起きました。

Q+リポート 赤ちゃん置き去り1カ月で考える

深夜2時頃、泣いている声で発見された赤ちゃん。生まれてまだ1日も経っていないとみられ、へその緒がついたままでした。アルファベットが書かれたTシャツ一枚にくるまれそばにはバッグがひとつあっただけでした。

この置き去り事件から1ヶ月あまり、赤ちゃんの母親は未だ見つかっておらず、現場近くの住民には戸惑いが広がっていました。

地域の住民「自分たちが住んでいるところでこういうのがあると、寂しい気持ちになりますね。(地域の)交流とかあれば、こういう事も無くなるのでは。」

他にも、事件が起きた地域では、「赤ちゃんが無事に生きていたのだから、犯人捜しをする必要が無いんじゃないか」という声や「地域の人がこういうことをするはずが無い」という声も聞こえてきます。

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赤ちゃんが置き去りにされる・・・。同様の事件は、去年の9月にも起きていました。

うるま市で、生後間もない赤ちゃんが置き去りにされた事件。ただ、このケースでは、発生からおよそ1週間、当時14歳の少女が自分が母親だと名乗り出ています。

少女が赤ちゃんを置き去りにした理由それは「お母さんに話すこともできず、どうしていいか分からなかった」というものでした。このような事件がなぜ起きるのか、長年、様々な子どもやその母親と関わってきた中央児童相談所の上原裕所長に話を聞きました。

上原裕所長「(この事件を受けて)、まず無事だったということで本当にホッとしました。そのあとにお母さんは一体どういう気持ちだったのだろうかということを考えまして。(県内においても)母親が望まない妊娠が発覚しまして、そして産む以外に選択肢が無い状態になり、さらに相談する相手もいないという場合に、どんどん追いつめられているという現状があります。。学生であったり、色々な面で仕事もしていない、家族とも一緒に住んでいないという事例が多いかと思う。」

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「望まない妊娠」によって、追い詰められるケースは数字でもわかります。県の衛生行政報告によると、、平成25年度の県内での10代の人工妊娠中絶は7.6%と全国平均の6.6%を上回っています。

なぜ「望まない妊娠」がおきるのか、その背景について妊娠・出産・子育ての悩みや女性の心身の健康相談を行っている沖縄県助産師会の桑江喜代子会長はまず次のように話します。

桑江喜代子会長「(支援センターの方に)妊娠したけれども育てる自信がない、産める状況じゃないかといったときに『中絶できる場所はどこですか?』とか費用の事、中絶費用が無いのでどうすればよいか?という相談はあったりします。望まない妊娠の裏に何があるかっていう時に、母子家庭であったり、パートナー以外の子どもであったり、あるいは未婚であったり。産むにしても出産費用であるとか、その育てる経済的余裕が無いとか。」

命に対する責任の希薄さ、性行為の先に待っている結果の重大さに対する意識の低さが浮き彫りになっています。

一方で、そのような状況に追い込まれた女性をサポートする社会的な受け皿はあるのでしょうか。

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桑江喜代子会長「産むことはできるけど、育てきれないといった場合は、児童相談所であるとか、そこの中で里親制度を利用するとか養子縁組とか色んな制度があるんですね。」

社会的なサポートはあるから安心して欲しいと語る桑江さん。何より第一に考えて欲しいのは、生まれてくる命、生まれた命だからです。

桑江喜代子会長「とにかく妊娠だけに限らず子育てもそうだけど、どこに行けばいいのか分からないなと思った時にはまず(助産師会に)電話してちょうだい。そしたら、そこから繋いでいける。」

桑江さんは、様々な事情があって置き去りにしたその当時者に、同情する思いを示しながらも、命と向き合う責任が足りないことを指摘します。

また、二度とこのようなことがおきないために、今後の啓発活動も重要だと考えています。

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桑江喜代子会長「命を大事にするって、ただ命を大事にすることだけじゃなくて、どうやって命ができていくか、育てることの大切さを責任を持ってしっかり伝えていかないといけないという思い」

最も心配なのは、保護された赤ちゃんですよね。今は保護されていて、体調は問題ないということです。今後、養子縁組などが整えば、引き取られるそうでうすがそうでなければ、児童園に預けられ18歳になれば自分で自立しなければなりません。

様々な生き方があって、生い立ちが幸不幸を決めるものでないことは当然ですが、置き去りにされた小さな命の行く末に心を痛める人は多いと思います。

一日も早く、母親や親族が名乗り出てくれることをまずは願いたいですね。

一方で、紹介したように、いろんな事情に対応してくれる社会的支援があります。妊娠や子育てで悩んでいる方はぜひ児童相談所や女性支援センターにお問い合わせ下さい。

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