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続いてはQプラスリポートです。戸籍上同性同士のカップルを結婚同等と認めるパートナーシップ制度が那覇市でスタートし、県内で初めてのカップルが誕生しました。

新しい時代の幕開けに喜ぶ声、一方で、制度面に残る課題を取材しました。

Q+リポート パートナーシップ制度 喜びと課題

入眞地さん安座間さんカップル「わたし入眞地順治と安座間尚彦はお互いに出会えたことに感謝し、お互いが最大限に力を発揮できるようサポートし合い、永遠にパートナーシップを築くことを、今ここに誓います。」

那覇市で同性同士のカップルを結婚同等と認める「パートナーシップ制度」。制度がスタートして初めて認定されるカップルが、結婚式を挙げました。県出身の入眞地順治さんと、安座間尚彦さんです。

7年前に出会った2人は5年半ほど前から交際を始め、仕事と生活の両面のパートナーとして互いに支え合ってきました。

それが結婚という一歩を踏み出そうと決めたのは、今年1月、急病で倒れた入眞地さんを安座間さんが献身的に看病したことをきっかけに、2人は共に歩んでいきたいという思いから家族になったのです。

妹・安座間裕子さん祝辞「(2人から)自分らしく生きること、人は人を愛することは性別関係なく何にも変えられない美しさがあることだと教わりました。兄をみつけてくれて、兄を共に歩むパートナーとして選んでくれて本当にありがとうございます。」

Q+リポート パートナーシップ制度 喜びと課題

城間那覇市長「この取り組みが精神的な支えとなり、社会的容認に繋がればこの上ない喜びでございます。」

同性同士の結婚を実現した背景には那覇市の取り組みがありました。

去年那覇市は、「性の多様性を尊重する都市・なは」を宣言。今月8日には、戸籍上の同性同士のカップルを結婚同等と認める「パートナーシップ制度」を施行し18日、登録第一号となった2人に、証明書を交付しました。

この、パートナーシップ制度では戸籍上同性同士のカップルだけでなく、性同一性障害で、自分の性別に違和感を持つ人なども対象としています。

Q+リポート パートナーシップ制度 喜びと課題

法的拘束力はありませんが、市営住宅の入居や、市立病院での手続きの際にも家族として認められるよう検討が進められています。また、航空会社のマイル登録や携帯電話会社の割引、生命保険の手続きでも権利が認められます。

参加者女性「幸せを分けてもらえたらいいなと思いながら応援したいです。」

参加者男性「今観光でたくさん人が来られている地域でもあるので、世界に発信できるいいきっかけになるのかな」

イベント主催者 ピンクドット沖縄砂川秀樹共同代表「同性パートナーシップの登録をより意味のあるものにしていくためにそれを認める企業とか病院とかを増やしていきたいなと思っています。」

制度開始を喜ぶ一方、こんな声も聞こえてきました。

Q+リポート パートナーシップ制度 喜びと課題

女性カップル「税金とかの制度がまだ入っていないので、ヨーロッパと比べてそのへんがサポートされてくればいいなと思います。」「自分たちが一緒に築きあげた財産とかをどっちかが先に死んだとき、自分が先に死んだ時に残せるものはちゃんと相手に残していきたい。」

実際、また一歩を踏み出したばかりのパートナーシップ制度には、多くの課題もあります。

もも行政書士事務所宮城桃子行政書士「何も対策を練らなければ(相続は)難しいです。婚姻関係にないパートナー間は法律上他人になってしまうので他人には法定相続分と言われるものがありません。遺言書の作成をおすすめしております。」

税金や相続については課題はあるものの、性的少数者たちが家族を持つという夢と可能性を広げた、「パートナーシップ制度」。登録第1号となった2人は、「いつか子供を持ちたい」というさらなる夢を抱いています。

現在、東京、大阪、沖縄で5つの飲食店を経営し多忙な生活を送っている2人ですが、病気で子育てが難しい姉夫婦に代わって子どもをひきとる意志を固めました。

入眞地さん安座間さんカップル「子供をひきとるとなれば、たぶん他(店)は任せると思います。やっぱり環境のいい沖縄で育てたいので、結婚式がスタートでまた家族になってまた新しい家族が迎えられたらというのが今の夢ですね。」