2016年7月14日 18時40分

つながる × 地震から家を守る

熊本地震から、きょうで3か月です。家を失い、避難所生活を続ける人はいまだ5千人近くいます。いつ起こるかわからない地震から大切な家を守るためには、どうすればいいのか取材の過程で沖縄特有の課題も見えてきました。

熊本地震で、全壊、または半壊した住宅は3万4千戸あまり。避難所生活を続ける人々は今も5千人近くいて、生活の再建には時間がかかりそうです。

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加藤祐三・琉大名誉教授「この辺の地盤は全部ね、軟弱層なんです」

防災地質学が専門の加藤祐三琉球大学名誉教授。県内でも、大きな地震に備えた住宅の耐震補強が必要だと指摘しています。やってきたのは、川に面した低地に建つ、大きな集合住宅。ここはすでに、耐震補強を終えた建物です。

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加藤琉大名誉教授「(Q:かなり大規模に補強されてますけども)そうですね、この場合は横揺れに対して補強材が効くわけです」

1981年までの古い耐震基準では、震度5強程度の地震までしか想定されていませんでした。この集合住宅は、古い基準で建てられたものですが、大がかりな補強工事をしたことで安全性が確保され、現在は津波避難ビルにも指定されています。

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しかし、現在の耐震基準を満たさない住宅が、県内に8万戸以上もあります。

加藤さんは、中でも、沖縄に多い特徴的な住宅でこうした耐震補強が必要だといいます。

加藤琉大名誉教授「いわゆるピロティ式、沖縄は下駄ばきということもありますね。下にこう脚があって、その上に重い建物が上に乗っているというやつです」

柱だけで2階より上を支える、いわゆるピロティ式の住宅は、1階に駐車場を造ることができるため、土地が狭い県内ではよくみられます。しかし地震の際には懸念されることもあります。

加藤祐三・琉大名誉教授「これが倒れた結果、人がケガした、死んだということが起きる心配をするならばですね、こういう補強をする」

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柱と柱の間に鉄骨を入れるなどして補強すれば、安全性は格段に上がると言います。

熊本地震の後、住宅の応急危険度判定士などを被災地に派遣した沖縄県。担当者は、対策を急ぐ必要があると話します。

県建築指導課・上地賢主任技師「熊本地震でも、このように比較的新しい耐震基準の建物でも、ピロティ建築物の柱に被害が発生しております。沖縄県でも古いピロティ建築物は多いと思いますので、ピロティ建築物の耐震診断・耐震補強は必要なことだと考えております」

しかし、取り組みが進まない現状もあります。東日本大震災の後、県や市町村は、住宅の耐震診断を進めようと、補助制度を作りました。しかし…

県建築指導課・上地主任技師「実績が(全県で)5件しかなかった。その要因が、所有者負担が大きかったのかなと」

耐震診断の費用は、コンクリート住宅でおよそ90万円以上。補助金制度を使っても30万円ほど自己負担が出ることもあったのです。

そのため県は、自己負担を1万円程度に抑えられる、簡易診断を進めようと、補助制度の導入を検討しています。

県建築指導課・上地主任技師「現地へ技術者を県のほうから派遣しまして、建物や敷地の外観調査を実施します。その情報をみて、所有者が本格的な耐震診断を実施するかどうかの材料にしていただければと考えております」

地震から住宅を守ることは、そこに住む人たちの命を守ることであり、その後の生活を守ることにもつながります。熊本地震は、備えることの大切さを私たちに教えています。

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